シンデレラ・ストーリー

 久しぶりの更新になってしまいました。
 ふと思い出しましたが、数週間前の日曜、自宅にこもって久しぶりに実写版『シンデレラ』を観ました。

 このおとぎ話にならって、「シンデレラ・ストーリー」という言葉があります。

 Wikipediaで調べてみれば「有名ではない一般人女性が、短期間で(あるいは長い年月にわたる苦労の末)見違えるほどの成長と幸福を手にし〜」と解説されています。

 では「シンデレラ・ストーリー」におけるキーポイントって何でしょう?

 僕は、幼い頃におとぎ話として知ったときのまま「魔法使いに助けてもらってハッピー!」がキーポイントだと思っていました。

 確かに「魔法でチャンスを与えてくれるフェアリーゴッドマザーと出会う」という点は、間違いなくポイントでしょう。しかしそれは、単に「運が良い」という意味だけではないのかもしれません。

 フェアリーゴッドマザーは姿を隠すように、背景に溶け込んでしまっています。動き始めても、泥んこのおばあさんの格好。シンデレラは、そのおばあさんに頼まれ、少しもためらうことなくミルクを差し出します。そして、おばあさんは本来の姿をシンデレラに明かし…。

 シンデレラが大きなチャンスを掴むことができたのは「フェアリーゴッドマザーを【おばあさん】から【魔法使い】に変えることができたから」ではないでしょうか。

 フェアリーゴッドマザーは、あるいはチャンスは、最初からそう見えることはありません。

 チャンスに見えないうちは、意味が無いことにも見えるでしょうし、あるいは面倒くさいことや、前から知っていることに見えることもあるでしょう。発明王トーマス・エジソンも「チャンスは、スーツではなく作業着を着てやってくる」と言ったとか。どうもチャンスというやつは、見慣れた格好をしているようです。

 だとすると、なんでもない日々の生き方そのものが、チャンスを連れてくるのかもしれません。

 印象に残りやすいのはイベントが起こった日のこと。たとえば舞踏会の日。でも、忘れてはいけないのは、それまでのシンデレラの生活。

 どんなに結果が良くても、彼女の境遇を肯定する理由にはなりません。ですが、辛くても、理不尽だったとしても、シンデレラは常に謙虚であり続けました。舞踏会において、シンデレラが最も深く頭を下げてお辞儀をしていたことからも感じられます。

 だから彼女は埋もれているチャンスを見つけ、本物のチャンスに変えることが出来たのでしょう。

 昨日よりもほんの少しだけ誰かに優しくできるようになって、困っている人に協力して、自分のやるべきことに一所懸命になって。「人間力」って、ただ自分が生きたり環境に対応したりすることだけでなく、こういったことも含まれるんじゃないかと、僕は思います。

 では、受験勉強において「普段着」を着ているのは誰でしょうか。宿題や英単語・英文法、音読、数学や理科の公式、評論の用語や漢字…、積まれたままになっていませんか?

 それから「そんなの出ないよ」って、簡単に世界を狭めないでください。シンデレラと言えばガラスの靴。もともとはシンデレラも、靴のことを「誰も見ない(→だからボロボロでも良い)」と言ってしまっていましたが、結局はそれがキーアイテムとなっていました。

 さ、なんでもない今日を始めましょう。

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