学習の「管理」と、成長
「今後、すべてを管理します。」
こんな感じで言われてしまうと、どうしても『管理』にネガティブなイメージを持ってしまいます。
僕自身も、生徒のときに先生から言われれば、そのように感じるでしょう。
本当に、『管理』という言葉には、ネガティブな面しかないのでしょうか?
辞書で調べてみると、確かに「品質管理」などという例とともに「基準をはずれないようにすること」という旨が書かれています。
ですが、
「良い状態であるように気を配り、必要な手段をとること」
と定義しているものもあります。
確かに「自己管理能力」という言葉は、「自分をがんじがらめに縛ること」という意味ではなく「より良くなるために運動や食事などに気を配ること」という意味で使われます。
僕は、「学習管理」には、後者のような、つまり「品質管理」というよりも「自己管理」というような意味を込めています。
せっかく勉強をするのであれば、それが、きちんと結果に繋がるようにして欲しい。そのために「管理」をします。
勉強をする理由が「楽しいから」であれば良いなぁ、と個人的には思います。ですが、多くの場合、勉強をすることには近くの目標がともないます。テストの点数や資格試験に向けた勉強などです。
目標に向けた努力の量は十分なのか。量が十分だとして、方向は間違っていないか。いつまでに、何を、どのくらいして、どんな状態になっておきたいのか。今日はどこまで進んだのか。それを維持するモチベーションはあるのか。そういったことも「学習管理」だと、僕は思います。
今、教材は、参考書も動画も、とても良いものが揃っています。だからこそ、努力を高品質に保つための「学習管理」が必要です。
さて。
勉強を、結果につなげる。これをどうしてもテストだけに限定して考えてしまうことがあります。
本当はそうではないですよね。
「勉強をすること」は、単に「知識が増えること」ではなく「成長すること」であって欲しい。
たとえば。
テストの点数をよくするために、「計算ミスがなくなる」とか「解答欄への転記ミスがなくなった」ということだけにこだわるのではない。
計算ミスがなくなるように、普段から注意深くなれば、もしかしたら誰かがいつもと違う表情をしていることに気付けるようになるかもしれない。
解答欄への転記でうっかりしなくなれば、「終わり」にこだわるようになり、消しゴムのカスをそのままにしなくなったり、ちゃんと椅子をいれるようになったりするかもしれない。
必ずしもそうではないかもしれないけれど、そういう成長につながって欲しい。
では、成長の先にあるものはなにか。
いわゆる「立派な人間」がどんなものかは、よく分かりません。ただ僕が思うことは、自分が「今の親と同じ年齢」になったときのこと。
タイムマシンか何かで過去に戻れるようになったとして。今の僕の目の前に、胸を張って登場できるかどうか。そのとき、ためらわずに登場できるように、そんな成長をしていけるように、日々勉強していきたいと、改めて思います。
