古賀塾にくる生徒の大半が苦手意識を持っていたり、個別授業で最も多く申し込んだりしてくれている科目の1つが英語です。
また、近年では、大学入試で英検(実用英語技能検定)を活用できる場合も増えており、その件についても相談を受けることがあります。
※ 英検利用については大学ごとに異なります。
たとえば、西南学院大学を受験する際の英検利用については、
こちらも合わせてご確認ください。
(『西南学院大学の英検利用について』)
今回は、高校生になってから苦手になる人の多い英語について、古賀塾の生徒に実際に指導しているポイントを伝えていきます。
英語指導の際に使っているおすすめの参考書についてもまとめていきます。
・どのような流れで、何に気をつけて、学習を進めていけばよいのか
・段階別に、英検の何級を目標にすればよいのか
について、絞って説明していきます。
その他、相談したいことがありましたら、LINEにてご相談ください。
なお、本文中では、【基礎編】と【応用編】に分けて話をしている箇所があります。特に断りがなければ、
福大・西南学院など → 基礎レベルを完璧にする
関関同立・地方国公立大など → 基礎レベルの徹底と、応用レベルの一部
早慶・MARCH・旧帝大など → 応用レベルまで完璧にする
と思ってください。
レベルや得意・不得意によって、基礎だけで十分な人もいれば、両方する人、いきなり応用レベルに入ったり、さらにその先の発展編に進む人もいます。
英語の学習ルート
英語の学習には、大きくわけて
① 単語・熟語
② 文法
③ 英文解釈
④ 長文読解
⑤ リスニング
⑥ 英作文
の6つがあります。
中でも、実際に授業をしていたり、入試直前に質問を受けたりしていて、とても重要な部分にもかかわらず、生徒の意識が足りないと感じるのは①〜③です。
最近の入試問題では、文法問題がなくなったり、長文読解が長文化したり、自由英作文の配点が大きくなったりしています。
たしかに、「対策」という観点では、長文読解や英作文の重要性は非常に高まっているといえるでしょう。
しかし、それでもそれらの「対策」の足腰になってくるのは、文法などの知識や理解なのです。
いつまでも択一式の文法問題を解くことしかしない、ということも正しくはありませんが、単語・熟語を十分に覚えている人、文法(特に文型・準動詞・関係詞・比較などの理解)がある人、英文解釈の基礎が固まっている人であれば、多読をするようになってからの伸びが大きかったり、直前期でもなんとか「対策」を詰め込むことが可能です。
こういった知識系は、習得に時間がかかったり、覚えてから点数に反映されるまでに時間がかかったりするので、
・難関大志望→高2の冬まで、遅くとも高3になる前
・それ以外 →高3になる前、遅くとも高3の夏
までに覚えるようなカリキュラムを古賀塾では作成しております。
なお、急いで知識を身に着けた方が良いからといって、すべてを同時に並行して勉強することはおすすめしていません。
・語彙と文法
・語彙と英文解釈
・語彙と長文
・文法と長文
・長文と英作文
のように、並行して学習するものは2段階ずつにとどめてるように指導しております。
志望校や入試までの残り時間などにもよりますが、進む手順は大きく2パターンあります。
【パターン(残り時間に余裕がないとき)】
1つずつ応用レベルまで仕上げていく
例) ①単語・熟語の基礎→①単語・熟語の応用
→②文法の基礎→②文法の応用
→③英文解釈の基礎→③英文解釈の応用
……→⑥英作文の基礎→⑥英作文の応用
【パターン2(残り時間に余裕があるとき)】
ひととおり基礎を固めてから応用に進む
□ ①単語・熟語の基礎→②文法の基礎
→③英文解釈の基礎……→⑥英作文の基礎
→①単語・熟語の応用→②文法の応用
→③英文解釈の応用……→⑥英作文の応用
英語学習としては、パターン1を進めたい気持ちもわかりますが、大学受験における英語外部試験などの重要性が高まっていることも考え合わせると、パターン2の手順で学習するようなカリキュラムにしております。
つまり、英検2級レベルの語彙・文法・英文解釈・長文・英作文・リスニングを勉強し、第2段階として英検準1級レベルの語彙・文法・英文解釈・長文・英作文・リスニングを勉強していく流れになっております。
①単語・熟語について
英語の学習において、最も重要なのは英単語・英熟語をどれだけ多く覚えているか(語彙力)です。
以下、古賀塾の生徒にどのように指導しているかを紹介します。
英単語帳や英熟語帳は、基本的には学校で配られたものに「ちゃんと」取り組めば大丈夫です。
たとえば、有名所や近隣の高校が採用しているものであれば、
【基礎】
・『システム英単語Basic』
・『ターゲット英単語1400』
・『Stock 3000』
・『Bricks 1』
【応用】
・『システム英単語』
・『ターゲット英単語1900』
・『Stock4500』
・『Bricks 2』
などです。
他にも『共通テスト英単語1800』もおすすめです。
また、英検を受験する場合には、その級の『パス単』がおすすめです。
英熟語については、学校では単独で熟語集を指定されず、文法の問題集に掲載されている熟語だけでまかなおうとする場合があるようです。
しかし、まだ入試までの日程があるのであれば、必ず英熟語帳も必要です。
たとえば
・『システム英熟語』
・『ターゲット英熟語』
などに取り組むようにしてください。
文法問題集に掲載されている英熟語だけでは不十分な理由は、いくつかありますが、要するに「長文を読む際に使いこなしきれない」ということです。
たとえば、文法問題集に載っている熟語は、シンプルに数が少ないですが、それは効率が良いわけではなく「択一形式での頻出熟語」に絞り込んでいるためです。
「長文には頻出」という熟語は割愛されてしまっています。
また、長文中では( )のような空欄がない状態で、何がどの部分が熟語になっているのかを見抜く必要があります。
択一形式でのみ練習していると、実は気づいていないだけで、長文中には多くの英熟語が登場していることに思いが至らないことがあります。
どうしても長文中の熟語を見つけられない、と悩んでいる生徒には、
・『速読英熟語』
を利用しています。この本を活用することで、視野が広がります。
英単語・英熟語を覚える際に気をつけるポイントは、
① 隙間時間だけでは不十分
② 短期間で全体を把握→何度も繰り返す
③ 反射できるようになるまで
という3点です。
① 隙間時間だけでは不十分
英単語や英熟語の確認を、受験直前の受験生が隙間時間を使って確認したり、小テストや定期テストの直前に隙間時間を使って確認したりするのは、とても良いことだと思います。
しかし、学習をはじめて間もない場合、しっかりと腰を据えて学習することが必要です。
具体的には、1日に1〜2時間は、かけても良いと思います。
ただ、いつまで経っても単語や熟語しかしないのもよろしくない。
学校などでの小テストのペースとはずれてくると思いますが、「毎日1時間・100単語ずつ」や「毎日2時間ずつ・200単語ずつ」などで一気に最後まで走り切りましょう。
さらにこの時間の過ごし方については、過去記事のこちらも参考にしてください! 『単語を覚える』
② 短期間で仕上げる
英文法を含む暗記項目は、原則として、高3になる前までに全てインプットするというカリキュラムで古賀塾では英語指導をしております。
インプットを行うタイミングとしては、学習をスタートしたタイミング、もしくは夏休みや春休みなどの長期休暇のタイミングで、一気に仕上げるなどのカリキュラムになっている生徒が多いです。
(高3になってからは、英語は過去問対策と長文など「問題の解き方」や「音読」などに時間を使いたいです。単語の意味を調べたり確認することに時間を使いたくありません。また、理系であれば、数学や理科の学習に時間を割きたいところ!)
何度も何度も繰り返し書いて声に出して、小テストも行って、『反射で』意味が言えるようになるまで指導しています。
学校の小テストのペースとは関係なく、単語帳を手にとった日から1〜2ヶ月で一気に仕上げていきましょう。
覚え方のコツとしては、少なくとも単語帳の見出し語はすべて覚える必要がありますが、最初の1ヶ月で500語、次の1ヶ月で1000語、というように、ある程度のまとまりを分割して何度も繰り返して覚えることが有効です。
もしも「いや、確実に覚えていきたいから、1日に20語ずつ覚えたい」と思い、実行していくとどうなるでしょう?
確かにそのやり方が合っている人もいるかもしれませんが、そのペースだと1000番目の単語にたどり着いたとき、すでに単語の学習をスタートしてから50日が経過していることになります。
51日目から2周目に入りますが……50日ぶりに見る英単語、ちゃんと覚えていられるでしょうか?
一方、100語ずつで500単語を覚えようとすれば、6日目には2周目に入ります。
「そんなペースだと3割しか覚えていません!」と言ったって、150語は覚えています。(20語ずつだと週間では140語です。)
このやり方では、3周目くらいまでは記憶がおぼろげなままで、成長を感じられないかもしれません。ですが、1ヶ月で5周も6周もすれば確実に覚えられます!
「とにかく6周する」もよし、「平日は100語ずつ進めて土日は500語ずつ一気に見直す」もよし。
(筆者の山下も、受験生の頃などは、後者のペースで取り組んでいました。)
どうであれ、とにかく短い期間でガンガンまわしていきましょう!
③ 反射できるようになるまで
古賀塾では、単語を「覚える」というのは、反射的に脳内変換できるまでのレベルを求めています。
たとえば、dogと聞いたあと、
1.「うーん、なんだっけ。」
2.「そう、『犬』っていう意味だった」
3.「あの動物のことだな」
なんて、3段階も経て進むことはないですよね?
おそらくいきなり3.に進んでいると思います。
このレベルになるまで、何度も何度も何度も繰り返していきます。
2023年度の共通テストでは、単語数が6000語を超えていました。
英単語を見て、3.に至るまでに平均1秒かかるのか、平均0.9秒かかるのか、それだけでも10分の差につながります。
(1単語あたり0.1秒の差→全体で6000語→600秒の差→10分の差 )
これは、第6問Bに差し掛かったタイミングで「4分しかなかった」という生徒が「まだ14分ある」という変化に繋がります。
難関国公立大学や難関私立大学には、テクニックとして速読が必要な場合もあります。
共通テストの英語を早く読むためににも、たしかにコツもありますが、それ以上にこういった「基礎」「足腰」の方が、より強力に効いてきます。
だからこそ、早く覚えて、何度も何度も何度も繰り返して、定着させていきます。
②文法について
英文法は、英語を正しく読んだり書いたりするためのルールを学ぶものです。
ここでも、古賀塾の生徒に指導していることを紹介していきます。
英文法は、大きく分けると「順番やカタマリに関するルール」と「ニュアンスを添えるルール」があります。
常に意識する必要はありませんが、ここで一度、確認してみましょう。
【動詞、順番や意味のカタマリに関するルール】
・時制
・助動詞
・仮定法
・文型(動詞の語法を含む)
・準動詞(不定詞、動名詞、分詞)
・受動態
・関係詞
・接続詞
・比較
【単語の使い方や、ニュアンスを添えるためのルール】
・名詞、代名詞
・冠詞
・形容詞
・副詞
・前置詞
・否定、疑問
・強調、省略
どちらも重要なルールですが、本格的に英語を勉強し始めて間もない場合は【順番や意味のカタマリ】に関するルールは、特に意識して学習を進めていってください。
英文法も、基本的には学校で使っている教科書・問題集を使って、先取りをしていきましょう。
教科書だけでは分かりにくく、「もっと簡潔に整理して欲しい!」と悩む生徒には
・『肘井のゼロから英文法』
・スタディサプリ『高1・2スタンダード英文法』
などを活用しています。
逆に、「もっと深く知りたい!」と思った場合には
・『ジーニアス総合英語』
などで調べるように指導しております。
こういった本で勉強をしていきながら、並行して
【基礎編】
・『英文法ポラリス』①・②
・『レベル別問題集』②〜④
・『Bright Stage』
・『Scramble Basic』
【応用編】
・『英文法ポラリス』②・③
・『レベル別問題集』⑤
・『Scramble』
・『Vintage』
・『Next Stage』
などで演習・定着をさせております。
ここで重要なのは、例文や、間違ってしまった問題文を「暗記するように音読」させております。
記事の作成中、手元にあった『英文法基礎10題ドリル』から、例文を拝借します。
My son is old enough to get married and become independent.
「私の息子は結婚して独り立ちしてもよい年齢だ」
たとえば、この文章が授業で出てきたとします。
きっと、
・主語がMy son、述語動詞がis
・形容詞/副詞 + enough to Vで「Vするくらい…、Vするのに十分…」
・andはbecomeとgetを並列している
などをポイントとして習うでしょう。
そうして先生の説明を聞いたり参考書の説明を読んだりして「なるほど」と納得したらおしまい……ではなく、そこからもうひと踏ん張りです。
音読をします。
ただ、1〜2回だけ声に出せば良い、というわけではありません。
1. 習ったことを思い出し、意識しながらゆっくりと5回、音読します。
2. 続けて、前半(My son is old enough)だけを見て覚え、目線をノートからはずして読み上げてみます。
うまく言えなければ、もう1度ノートを見て、再挑戦です。
3. できるようになれば、次は後半(to get married and become independent)です。
4. 後半も言えるようになったら、改めて文全体を5回音読し、目を閉じて1度、読み上げます。
次の日には忘れているかもしれませんが、少なくともその日、家に帰るまでは覚えているでしょう。
平日に取り組んだ問題を、日曜日に一気に復習(解説を読んで5回ずつ音読)なども、非常に効果的です。
この地道な作業の繰り返しが、次の段階である「構文・英文解釈」や、本格的に「長文読解」に入ってきてからの伸びに繋がってきます。
この練習をするためには、
・『英文法基礎10題ドリル』
がおすすめです。
③構文・英文解釈について
英単語・英熟語・英文法といった基礎事項を、入試問題の花形である長文読解・英作文につなげていく段階が、この構文・英文解釈です。
ここについても、古賀塾で指導していることを紹介します。
この段階は軽視されてしまったり、もったいない取り組み方をされる場合があるので、気をつけて指導しています。
この2つは、正確に英文の意味を理解するために、ひいては早く読めるようになるために必要です。
この段階のゴールは、
主語と動詞が分かり、意味のカタマリがとれ、それらを説明できるようになること
です。
整序英作文や、下線部和訳問題は、この力を試している問題ということになります。
構文を正しく把握できるようになる(英文解釈ができるようになる)ことは、英文の正確な意味を把握するための「フォーム作り」に似ています。
どんなスポーツでも、フォームが崩れたままがむしゃらに練習を続けては、それが大きな成果に繋がることは滅多にありません。
フォームがでたらめなまま走り込むよりも、たとえ最初は少し遅くなってしまったとしても、正しいフォームで走る練習をしてから走り込むほうが良い記録に繋がります。
同様に、構文・解釈の力がないまま長文をたくさん読んでも、効果が薄くなってしまいます。
まずは、おすすめの参考書・問題集から。
【基礎編】
・『読解のための英文法が面白いほど分かる本(入門編)』
・『入門 英文読解の技術70』
・『入門英文読解精講』
【応用編】
・『読解のための英文法が面白いほど分かる本(難関大編)』
・『基礎 英文読解の技術100』
・『英文熟考』
・『ポレポレ 英文読解プロセス50』
これまで「ドンドン先に進もう!」と話をしてきましたが、この段階では、少し落ち着きます。
これらの参考書・問題集に取り組む際は、じっくりと考え抜くように指導しております。
「考え抜く」とは、書き込むこと、和訳を書くことです。
こういった問題集では、問題の性質上「次の文を和訳しなさい」という設問になっていることが多いです。
そこで多くの受験生は、知っている単語や熟語の知識を繋いで、「だいたいこんな意味になるだろう」と考え、解説を読み始めてしまいます。
解説を読むならばまだマシで、いきなり和訳例を読んでしまう人もいます。
そして自分の和訳と、和訳例を比較して「だいたい合っている」と判断して先に進んでしまう。これではまるで、日本語のテストをしているようですね。
その結果、次の段階である「長文読解」に取り組んでいるときに
「だいたい読めるんですけど、いつも選択肢を選ぶときに間違えるんです」
「だいたい意味は合っているんですけど、和訳は減点されてしまいます」
と言い出すことになってしまいます。
それは「だいたい」でしか読めていないため、起こる現象です。
そうではなく、
「自分は、なぜ、そのように構文をとったのか」
「なぜ、先生は、このように構文をとったのか」
という点が最も重要なのです。
古賀塾のカリキュラムもこの部分をかなり意識して作っています。
著者の先生方と同じようなプロセス・考え方で構文を取れていれば、極端な言い方をすれば「自分の訳と先生の訳が似ているかどうか」なんて些末な問題です。
そして構文でも、音読を繰り返すように指導をしています。
できるだけ、英文法の例文を音読したときのように取り組んで欲しいですが、長くなってくるとそうはいかないと思います。
その場合には「文の先頭から順番に意味を理解できているか」、もっと言い換えれば「この文がリスニングで登場しても理解できそうか」ということを意識して音読を繰り返すように指導をしています。
④長文読解について
ここまでの段階をしっかり積み上げてきた人にとっては、実は、「基本に忠実にたくさん読む」ということ以外、すべきことはそれほど残っていません。
加えるとすれば、
・構文を取りながら長文を読み進められるか
・構文を意識しなくとも、構文に基づいた理解を進められるか
・段落内の文脈を把握できるか
(主張と具体例・譲歩の関係、代名詞)
・解答の手順を知る
となります。
ここからは、古賀塾でもある程度、自習でやるようにも指示しています。
自習の際に生徒に伝えていることをまとめます。
まずは、「構文・英文解釈〜長文」の段階でおすすめのものとして
【基礎編】
・『The Rules』①・②
・『ハイパートレーニング 長文読解編』①
などです。
これらの問題集で、構文を取りながら長文を読み進めることに慣れてきたら、
【応用編】
・『The Rules』③・④
・『英語長文 ポラリス』
・『ハイパートレーニング 長文読解編』②、③
・『至高の20題SUPREMACY』(私大向け)
などで、解法の習得に意識を注いでいきましょう。
レベルの選び方としては、
・The Rules①、② → ポラリス①
・The Rules②、③ → ポラリス②
・The Rules③、④ → ポラリス③
の順で挑戦していきましょう。
ここまでくれば、あとは赤本を中心に演習を重ねていければ良いと思います。
多読用の教材として『やっておきたいシリーズ』『英文速読のプラチカ』『難関大入試 英語長文特別講義』『レベル別問題集シリーズ』、
より高度な読解に挑戦するため『難関大英語長文講義の実況中継① ②』『英文読解の着眼点 言い換えと対比で解く』などがオススメです。
この段階で重要なことのつ目は「制限時間を測ること」です。
これは、必ずしも「タイムリミットが来たら、そこですぐに止める」という意味ではありません。
目標解答時間が20分と書かれていれば、まずは20分で勝負をしてください。
途中で休憩したくなっても我慢です。
20分を戦い抜いたのち、そこでいったん印をつけてから、まだ解けてない問題に取り組むアディショナルタイムに突入してください。
また、ここでも音読は重要です。
構文・英文解釈の段階での音読と同様、
・構文をとれているか
・リスニング問題でも理解しているか
ということを考えながら音読を繰り返してください。
いろんな意見があると思いますが、これは自分自身の経験からも30〜50回は音読をしてください。
問題集に限らず、模試の復習をしているときなどにも「全部の訳をしたほうが良いのか」と聞かれることがあります。
私は、できる限りすべきだと思っていますが、受験生が使える時間を考えると、せめて
① もう度英文全体を読む
② 英語を1文だけ読む → 全訳の該当箇所を読む
→ 次の英文を1文だけ読む →全訳の該当箇所を読む
…②を繰り返す
③ 訳せなかった文、勘違いしていた文について、
単語・熟語・構文の観点で復習する
という復習だけは、するようにしてください。
ここまでの内容で、「英語の学習」が一通り終わります。
その後は、模試の得点や過去問の内容・手応えに応じて、必要な問題集や参考書を追加していく形になります。
⑤リスニング
リスニングに苦手意識を持っている生徒は多いですが、この段階でも
・英単語、英熟語、英文法の基礎が固まっていること
・構文を素早くとれること
が重要になってきます。
普段の学習としては、長文の問題集などについてくる音声を、何度も聞くようにしてください。
ただし、何かをしながら、という、いわゆる「ながら勉強」ではありません。
1つの長文につき、30〜50回の音読をして欲しいことはすでに述べました。
その30〜50回の中で
・文章を見ながら、音声を何度か聞く
・文章を見ながら、音声も聞きながら、小さい声で音読する
という練習も、しておいてください。
リスニングが苦手な人の特徴として、
「そもそも、その速さで長文を読めない」
という点が挙げられます。
聞き取れていないのではなく、本当は聞き取れているけれど「英文」への耐性が低いため、すぐに抜けていく(忘れていく)、解答に活かせない、という事態に陥っています。
では、どうすれば、素早く英文を理解できるようになるのか。
それは、英単語や英熟語が瞬間的に意味が答えられるようになっており、英文法の重要な例文が頭だけではなく体に馴染むようになるまで音読することです。
上記のような対策をした上で、
・『英語リスニングが面白いほどとれる本』
・『1ヵ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リスニング』
・『英語リスニング プラチナルール』
などの本に取り組むと、共通テストでは、しっかり高得点がとれるでしょう。
⑥英作文
近年は英作文、特に自由英作文の配点が大きくなったり、新たに出題されるようになったりする大学が増えてきました。
2022年の九州大学でも、200点満点の英語の中で、自由英作文が80点分も出題されていましたね。
ここまでの段階で、しっかりと英文法や英語長文の音読を繰り返して来た人は、意識していなくても、多くの英文がストックされてきています。
(「その文、どこかで見たことある気がする」ということが増えているはずです。)
その無意識にストックされている英語の経験を、どのようにして表現するのか。それが英作文です。
おすすめは、次の参考書・問題集になります。
【基礎レベル】
・『英作文基礎10題ドリル』
・『大矢の 英作文講義の実況中継』
【応用レベル】
・『英作文ポラリス①』…和文英訳
・『英作文ポラリス②』…自由英作文
・『基礎英作文問題精講』…両方
先生に添削してもらえる環境にいれば、添削してもらうことがいうまでもなく効果的です。
古賀塾でもかなりの数を添削指導しております。
その際に重要なことがあります。
・自分で必ず書くこと
・同じ問題に何度も挑戦すること
(自由英作文で賛否の立場がある場合には両方)
など、これまでと同じように自分が動いていくことが重要です。
英検取得のスケジュールと合わせて
最後に、重要性がどんどん増してきている英検の対策との兼ね合いについて、お話いたします。
1日で面接までを終えてしまうCBT形式で受験することも可能ですが、ここでは、従来の次試験・2次試験が分かれている形式でのスケジュールを考えます。
いわゆる難関大を目指す場合、
1年・6月 →3級に高得点
1年・10月 → 準2級に合格
1年・1月 → 2級に挑戦
2年・6月 → 2級に合格
2年・10月 →2級に高得点
2年・1月 → 準1級に挑戦
3年・6月 → 準1級に合格
3年・10月 → 予備
が目安となります。
できるだけ高2の1月、遅くとも高3の6月に準1級をとれるくらい、英語の学習を進めておきましょう。
そうでない大学を受験する場合も、高2の1月、遅くとも高3の6月に2級の取得を目指します。
□ 準2級
… 【基礎編】の単語、熟語、文法、構文
+1ヶ月前から英検総合対策教本・英検の過去問
□ 2級
… 【応用編】の単語、熟語、文法、構文
+1ヶ月前から英検総合対策教本・英検の過去問
□ 準1級
… 【応用編】の長文 + 英検の過去問
英検の準1級に合格してしまったら、あとは多読用教材や、志望校の過去問、弱点克服や、受験に必要な他の科目に時間を費やすようにしてください。
まとめ
英語の学習には、
① 単語・熟語
② 文法
③ 英文解釈
④ 長文読解
⑤ リスニング
⑥ 英作文
という6つの段階があります。
いくつも並行してしまうのではなく、1〜2段階に絞り、その分、徹底して仕上げていくようにしましょう。
「なんとなく」で終わってしまうのではなく、何度も何度も何度も音読をして、反射ができるようになるまで、頭ではなく脊髄が反応してしまうくらい、知識を体にも染み込ませていってください。
福岡で英語の勉強をするなら、古賀塾!
目指している大学が難関になればなるほど、「どれだけ早く英語の基礎を完成させるか」そして「他の科目でライバルに差をつけられるか」ということが重要になってきます。
また、特に私立では、英検を取得していることも、有利に働きやすいです。
かといって、一気に詰め込むだけでなんとかなるかというと、そうでないのも英語という科目の特徴です。
早期にスタートすること、それができなかった場合には、気合を入れて頑張ることを前提に現状や志望校との距離などを冷静に分析して、必要な分野にしっかり注力していきましょう。
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投稿者プロフィール
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生徒それぞれの目標に対し、現状把握・分析から最短距離で合格するためのカリキュラムとスケジュールを作成し、進捗をしっかり管理することで合格力を高めます。
大学在学中から塾講師として指導に携わる中で、生徒の成績をアップさせることに魅了されました。東進衛星予備校の校長としての教務も経験しております。
難関高校、難関大学合格は決して夢ではありません。本気で合格したいと思うなら、古賀塾がとことんサポートします!
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