私はこれまで10年以上、毎週、自分の生徒にメッセージを送り続けてきました。その中でも、必ず教え子が記憶に残っている話として挙げてくれるのが『艱難汝を玉にす』と『人間万事塞翁が馬』の2つです。本日は『艱難汝を玉にす』についてお話したいと思います。

 「艱難(かんなん)」というのは苦難、困難、災難のことを指し、「汝(なんじ)」はあなたという意味です。「玉にする」というのは、玉は宝石という意味もあり、宝石のように光り輝かせてくれるという意味です。

 よって、『艱難汝を玉にす』という言葉の意味は、苦難困難災難があなたを光り輝く宝石にしてくれるという意味になります。

 この格言は、決して人間個人だけではなく、社会全体にも当てはまることです。身近な例で言えば、今起こっているコロナウィルスの流行であったり、地震などの自然災害です。

 昨日(4/7)、安倍首相から緊急事態宣言が発令され、その中で「戦後最大の危機」という言葉も使われました。なんとか今回のコロナウィルスも克服する必要がありますが、禍や災害は犠牲者が出たりするから起こってほしくないですが、ひとたび起こってしまえば、確かに、それをみんなで乗り越えようとするため、より良い社会になっていきます。

 私は熊本地震を経験しましたが、本当にみんなが一致団結して災害が起こる前より良くするぞという気持ちで頑張った結果、熊本は凄まじいスピードで復興し、人々のつながりが強くなりました。

 私自身の人生を振り返ってもそうです。前の会社はアルバイト時代もあわせると20年近く勤めていましたが、何度もやめようと思うような苦難や困難に遭遇し、きついと思うことがありました。しかし、必ずといっていいほど、その苦しみから逃げずに歯を食いしばって頑張っていると、その後、大きな成長がありました。逆に言えば、あのとき自分は成長したなと思うちょっと前には必ずそれまで経験したことのない苦しみがあったんです。苦しい、きついと思うことは、それは成長している証拠なんです。きついと感じたときは、『成長してる!』と喜ぶべきなんです。

 運動をしていない人が運動をすれば、次の日筋肉痛になります。筋肉痛は辛いですが、それで運動を止めていたら成長はしません。しかし、それを続けていると習慣化し、大きな成長に繋がります。成長には最初痛みが伴います。ぜひ、このことを覚えておいてほしいと思います。

 私自身、会社を運営する立場の人間として、今回の新型コロナウィルスに関しては、これまでに感じたことのない不安に襲われています。しかし、この禍の先には大きな人としての成長と会社としての成長が待っていると信じ、覚悟してやり抜くつもりです。どうか皆さんも日本の未来のために感染防止対策を徹底した上でそれぞれのできることを頑張りましょう。

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