今回のテーマは、福岡県の第6学区に属する筑前高校です。
電車を使って姪浜や筑前前原から通っている人もいますが、古賀塾の近くの九大学研都市駅あたりからも自転車で通っている人がいますね。
ハンドボール部や水泳部が(特に競泳だけでなく水球も)設置されているのも、特徴的な点ですね。
今回はその筑前高校に合格するために必要なことについて、確認していきます。
筑前高校の合格に必要な「内申点」
福岡県の公立高校入試では、本番での試験の得点と、学校の成績である内申点が必要です。
手元の資料によると、筑前高校の合格者の平均の内申点は34.1、不合格者の平均は32.2となっています。
満点が45であることから考えると、スコアで1.9、割合で4.2%しか離れていないことになり、ほとんど差がないようにも見えます。
ここから考えられることは2つです。
まず1つは、合格者と不合格者の間で内申点の差があまり見られないことから、本番での結果や偏差値の方が、合否を分ける要因になっているであろうこと。
(偏差値については後述します)
もう1つは、内申点そのものだけに注目するのではなく、そのようなスコアがとれるような日頃の「学習習慣」を身につけることが重要、という点です。
このことについて考えるために、内申点が34になる内訳(パターン)について確認してみましょう。
国語 | 数学 | 社会 | 理科 | 英語 | 技/家 | 音楽 | 保/体 | 美術 | 合計 | |
A | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 36 |
B | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 34 |
C | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 | 3 | 32 |
D | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 37 |
すべての教科で4をとると、内申点の合計は36になります。(パターンA)
そこから、副教科のうち2教科が3になると、合格者平均の34になります(パターンB)
さらに2科目の評定が3になると、不合格者平均の32になります(パターンC)
極端な例だと、主要5教科ではすべて5をとり、副教科では3というパターンDもあります。
内申点は、日頃の授業への取り組み方、小テストや提出物なども評価の対象になっており、定期テストの結果だけで決まるわけではありません。
しかし、このような内申点になるためには、
□ 主要5教科では確実に4以上をとる
あるいは、
□ 副教科でも4をとれるよう、定期テストの直前期は副教科の勉強に集中する
→直前期に5教科の勉強をしなくても大丈夫なように、5教科の勉強は日頃からしておく
ということが考えられ、つまり、このような内申点をとれるのは日頃の学習習慣の賜物だと考えられます。
したがって、内申点を通じて見える「学習習慣」が大事だと感じられる結果でした。
筑前高校合格に必要な「偏差値」
偏差値とは、あるテストで平均点をとった人のスコアを50として、どれだけ平均点から離れているかを表したものになります。
去年の先輩たちと比較して、順調に受験勉強が進んでいるかどうかの指標になります。
あくまでも「平均点」を基準にするので、違う試験で出た偏差値を単純に比較することはできないことに注意してください。
たとえば、
・フクト…57(Fスコア)
・県模試…58
となっています。
各塾で独自のテストが行われている場合もありますね。
これは、どの模試が正しくて、どの模試が間違っている、というものではありません。
フクトの偏差値(Fスコア)で比べたいならフクトの試験を受けて偏差値(Fスコア)57をとること、県模試で比べたいなら県模試を受けて偏差値58をとることが重要で、それぞれが同じくらい高さのハードルであり、合格の目安である、ということになります。
福岡県の公立高校の入試では、受験者本人には得点の開示をすることも可能ですが、各高校の合格最低点は公表されていません。
したがって、これらの模試で合格者が何点くらいとっていたのか、ということが目標点となります。
筑前合格のための目標点
このようなFスコアや県模試での偏差値57をとるには、概ね、300点満点中186〜195点が必要です。
緊張も増してしまう本番でこの点数を確実にとるために、普段の模試の目標得点は300点満点中210点(70%)としましょう。
実際には科目ごとに得意不得意の差があると思いますが、基本的には、どの科目も7割前後の得点をとることが必要となります。
筑前高校の「合否を分ける1問」
福岡県は、毎年、最新年度の県立高校の入試問題について、正答率を公表しています。
正答率が高いと簡単な問題(みんなが解ける問題)、正答率が低いと難しい問題ということになります。
ここまでに述べた目標得点と、福岡県が公表している「入試問題の正答率」を見ていると、
正答率45%の問題 が勝負
ということになりそうです。
別の言い方をすれば、
「40人クラスで、約半分の16人が正解できた問題を、ミスせず確実に解き切る」
ことが重要、ということです。
では、実際にどのような問題が、その勝負を分ける問題にあてはまるのでしょうか?
問題文そのものは掲載できませんが、令和4年度の入試問題を大事に、紹介していきます。
<国語>
第2問(1)
・理由説明(10〜15字、体言止め)
第2問(2)
・資料を読んで分かることを全て選べ
第3問
・「煩はし」と同じ意味の語を抜き出す
→ 複数テキストの読み取り
・現代語訳
単純な記号の問題ではなく、いくつ正解があるのか分からない「全て選べ」という形式の問題や、やはり記述式の問題にもきっちり対応しなければならないことが分かります。
<数学>
第4問:1次関数
(2)直線の式を求める問題
※ 表を読み取り、2点の座標を求めて直線の式を求める
この問題と、これよりも簡単な問題をすべて解けると40点になります。
文字式の証明や、1次関数の(3)が30%前後、
平面図形の(3)や空間図形の(2)(3)は10%前後となっています。
筑前を目指していて数学で得点を稼ぎたい生徒は、文字式の証明と1次関数を最後まで解き切ることが重要、ということですね。
逆に言えば、数学が苦手で他の科目で埋め合わせようと狙っている場合は、平面図形や空間図形の難しい問題に囚われすぎず、取るべき問題でしっかり得点を取ることが重要ということになります。
<社会>
第1問:歴史的分野
問5(1)、(2)
・古代から近代までの各時代の人々の暮らしと、最も関係の深い出来事
・近世の人々の暮らしの変化について(記述)
第2問:歴史的分野
問2
・日本の産業革命について、資料を読み取る
問4
・国際連合加盟国数の変化について、資料を読み取る(記述)
第4問:地理的分野
問4(2)
・日本の工業の特色について、地図と説明文を選ぶ
※ 社会は歴史的分野、地理的分野、公民的分野から、それぞれ20点ずつ出題されます。
国語でも同じような傾向が見られましたが、単純な知識を問う問題が解けるのは「当たり前」にした上で、上記のような記述問題も解き切れるように対策していきましょう。
<理科>
第1問:生物領域(植物の体のつくり)
・種子植物を全て選べ
第2問:生物領域(動物の体のつくり)
・肝臓のはたらきを全て選べ
第4問:化学領域(電池とイオン)
・燃料電池
第5問:地学領域(雲のでき方)
・湿度と水蒸気量の計算
第7問:物理領域(光)
・光の進み方(作図)
・半円形ガラスと屈折角、全反射
※ 理科は生物領域、化学領域、地学領域、物理領域から、それぞれ15点ずつ出題されます。
理科では、しっかり考えられることも重要ですが、正確に、抜けもれなく知識が入っていることが重要だと考えられます。
「全て選べ」タイプの問題で差がついていることが分かるからです。
<英語>
第1問:リスニング
現時点では得点率が60%以上の問題と、30%以下の問題が大きく分かれて存在しています。
問1(簡単な会話を聞き、答えとして最も適当なものを選ぶ)は2回ではなく1回読みになるので、このあたりが「差がつく」問題になると思われます。
第2問:対話文
・問1② 整序英作文
(tell ヒト モノ の使い方)
・問4 文章の要点を把握
第3問:文章読解
・問3 下線部 that job の具体的な内容説明
ここまで、各科目の「差がつく」問題を見てきました。
これらの問題で「差がつく」ためには、その前提として「絶対に解けないといけない問題」にはすべて正解していることが重要です。
その上で、上記の問題が解けることが、1問1問が、最後のひと押しになります。
改めて見てみると、「2年生でならった内容」が多いことに気づきます。たとえば
・数学の「文字式の利用」「1次関数」
・社会の「歴史」「地理」
・理科の「生物分野」「地学分野」
などです。
もちろん、3年生で習う内容も、得点差がつく問題になるでしょう。
しかし、2年生であっても解ける(はず)の問題が出ているということを考えれば、学校から出されている宿題と並行して
・教科書の再読(学校のワークに再挑戦)
・入試レベルの問題に挑戦(中2も挑戦してみよう!)
などが、長期休暇(夏休み/冬休み/春休み)に取り組めると良いでしょう。
筑前高校合格に向けて偏差値を上げる
模試の対策と聞くと、特別なことを思い浮かべるかもしれません。
もちろん、時期によっては、それが必要な場合もあります。
ただ、実際には、まずは「定期テストの点数をしっかりとれるように勉強する」ということが重要です。
定期テストの点数をアップさせる、あるいは高得点で安定させるためには
・学習習慣を身につける
・学校のワークなどが、本当に分かったかどうか小テストを行う
などが必要になってきます。
古賀塾の自立型コースでは、学習習慣を身につけるため、定額で週に何日でも何時間でも通っても良いことになっています。
ただ自分で思いついたことを自習するのではなく、先生たちと相談をしながら、これからすべきことやこれまでしたことを確認していきます。
その際に、本当に理解できているかどうかを確かめるために、確認テストを実施したり、生徒に説明をしてもらったりしています。
実際に模試などを受験した場合には、もちろん、そのフィードバックも行っています。
自分の苦手単元を一緒に発見し、対策をしていきましょう。
古賀塾についての詳細はこちら
まとめ
この記事では、福岡県にある筑前高校の受験に向けて、内申点と偏差値の重要性について詳しく解説しました。筑前高校の合格には、内申点と本番での試験成績が重要であり、特に内申点の差が合否を分ける要因となっています。
また、偏差値に関しては、模試の結果を基に、平均点からの偏差を理解し、適切な目標設定をすることが大事です。
さらに、筑前高校の入試問題の特徴として、正答率が低い問題が合否を分ける重要な要素になっています。
古賀塾では、これらの要素に基づいた学習計画の立案と実施を行い、生徒の合格をサポートしています。
この情報を活用し、筑前高校受験に向けた効果的な学習戦略を立てましょう。
難しい問題が解けることもプラスになりますが、それ以上に大切なのは、定期テストでも模試でも本番でも、しっかり基本をおさえてミスをしないことです。
意外と、何が基本なのか、どのように基本をおさえれば良いのか、というのは1人で勉強していてはわかりにくい場合があります。
勉強習慣がない、勉強しているが成果が出にくい。そういったことで悩んでいる人は、ぜひ、古賀塾にご相談ください。
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投稿者プロフィール
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生徒それぞれの目標に対し、現状把握・分析から最短距離で合格するためのカリキュラムとスケジュールを作成し、進捗をしっかり管理することで合格力を高めます。
大学在学中から塾講師として指導に携わる中で、生徒の成績をアップさせることに魅了されました。東進衛星予備校の校長としての教務も経験しております。
難関高校、難関大学合格は決して夢ではありません。本気で合格したいと思うなら、古賀塾がとことんサポートします!
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