共通テストの得点は、国公立大学を受験する人はもちろんのこと、私立大学や推薦入試で利用する人も多くいます。国公立大学の合格ラインは7割程度は必要な大学がほとんどです。
ただし、7割というのは、全科目での勝負であり、数学が苦手であるのであれば、得意な科目で得点を稼ぎ、数学は何とか7割を目標にして、60点から70点が取れていれば、何とかなるという受験生も多いと思います。
また、文系の人で、数学の勉強をしている時間がない人もいます。
2次試験でも使う英語や国語の勉強を最優先させ、効率よく数学の得点を確保したいものです。
大学によっては、数学ⅠAの点数だけでいい所、あるいは、受験した科目の中で得点の高い科目だけを使うなど共通テストの点数の使い方は多種多様です。
今回は、国公立大学の合格に得意な古賀塾の山﨑より、数学ⅠAで7割を目標に得点するための方法をアドバイスします。
特にこれらに当てはまる人にはおすすめです。
・時間がないので最短で数学ⅠAを7割にしたい
・文系で2次試験は数学いらない
・数学ⅡBは大丈夫だけど、数学ⅠAは苦手
・選択問題に悩む
共通テスト数学ⅠAで7割を目標にするための考え方
満点を狙わない
共通テストは満点を狙わないことが大事です。
まずは、5割をきちんと確保する気持ちを持ちましょう。
各大問の半分を解くのは、時間的にも難易度的にもさほど難しくありません。他科目と違い数学は、易しい問題から難しい問題と並んでいます。これは非常に解く側としては、嬉しいです。
普段の演習で、5割は余裕で超えられる大問については、徐々に6割、7割と狙うと良いでしょう。
過去問などの解きなおしをする際も、すべての問題をやり直す必要はありません。せいぜい8割レベルまでのやり直し、つまり、2割分はやり直しをしなくていいです。
効率良く7割を確保することを最優先に考えましょう。
解き方の方針が分かりそうなものから解く
解ける自信のあるものから解くことが大事です。
共通テストは問題の問われ方が、学校のテストや多くの問題集の問題と異なる問題も多く、手が出しにくい問題もあります。
解ける問題から点数を拾いにいくイメージでどんどん解いていきましょう。気づけば、6割を超えていることも増えると思います。
どれを選択するかは事前に決めていてもいい
数学ⅠAでは、「場合の数と確率」、「整数の性質」、「図形の性質」の3題のうち、2題を選択します。得意な単元がある場合はそれを選択するのがいいでしょう。同様に苦手な単元は避けた方がいいです。
個人的なおすすめは、「図形の性質」です。
図形の問題は考え方が決まっており、他の2単元と比べると努力するとそのまま得点化しやすい単元です。
教科書の例題レベルを定着
教科書の問題と4STEPやクリアーなどの教科書傍用問題集は解けるようにしましょう。
共通テストでは教科書の内容に準拠した問題が出題されます。確実に例題や練習問題、補充問題が解けるようになるまでやり込みましょう。
もし、勉強していて分からない単元があれば、『初めから数学』『入門問題精講』や小倉悠司先生の『ゼロから始める数学Ⅰ・A』という教材がおすすめです。
単元別学習方法とおすすめの参考書
【第1問】 2次方程式・図形と計量
[1](2次方程式)
共通テスト対策用の問題集を解きこむことをおすすめします。
センター試験から共通テストになり、大きく変わったことは、会話文の挿入、日常生活を交えた数学の問題が出てきたことです。この形式を苦手とする受験生は慣れていないことが原因の1つです。
普段教科書の例題などを解いていると、数式だけの問題など無駄な部分がない形式ばかり解いているので、無駄な部分が多くある会話形式は、余計な情報を自分で取り除く必要があり、慣れてないと難しく感じてしまいます。
ただ、無駄な部分を取り除くと普段の問題よりも簡単なので、数学が苦手な人でも解ける問題もたくさんあります。
言い換えると、数学が得意な人でも無駄な部分を取り除くことができなければ、解けないので、数学が苦手な人は、差を縮めるチャンスと思ってもいいです。
おすすめの共通テスト用の問題集は、「ベストセレクション」です。
基本問題では、公式や解法の確認問題を取り扱っています。特に、解説が非常に無駄が無く、覚えるべき大事なポイントをまとめています。実際に私の出講している予備校でも、共通テストで7割を目指す人の演習教材として使ってもらうよう薦め、使っている人も多くいます。
[2](図形と計量)
短い期間で教科書の問題や教科書傍用問題集を解けるようにし、共通テスト対策の問題集での演習にたくさん時間を費やしましょう。
数学ⅠAで7割を目指すことを考えると、教科書では公式の確認と使い方を覚えることだけを重視し、実際に共通テストでどのように応用されているのかを見た方がいいです。
公式を忘れているだけであれば、共通テスト対策の問題から始めてもいいです。
【第2問】 2次関数・データの分析
[1](2次関数)
教科書の問題と教科書傍用問題集をじっくりと解きこみましょう。また、教科書が理解できない場合は、「初めから数学」を用いて、2次関数を勉強しましょう。
数学ⅠAは、共通テスト用の対策をする単元が多いですが、2次関数については、教科書などの典型問題を固めることが重要です。
[2](データの分析)
教科書で公式の確認をしたら、共通テスト用の問題集をたくさん解きましょう。
この分野については、正しく問題文や表、グラフを読み取ることが重要です。ほとんど計算はありません。計算が得意な人でも、苦手とする人は多くいます。数学が苦手な人は、差を縮めるチャンスと思い、頑張りましょう。
【第3問】 場合の数と確率 (選択問題)
場合の数や確率の分野は量よりも質が大事です。「入門問題精講」や小倉悠司先生の「ゼロから始める数学Ⅰ・A」という教材がおすすめです。
この分野は、解き方を覚えるというよりも、1つ1つの状況を書き出して理解することが最も重要です。これらの教材の解説では、数式だけの解説ではなく、図や表などで書き出して、状況を理解しやすいようにかなり工夫されています。教科書の問題や教科書傍用問題集の問題も大事ですが、考える過程が分からないので、はじめのうちは、丁寧に解説しているこの2冊に取り組み、慣れてきた後に、共通テスト用の問題集に取り組むことをおすすめします。
【第4問】 整数の性質 (選択問題)
2次関数と同じく、教科書や教科書傍用問題集を解きこみましょう。整数の性質も解き方がある程度決まっているので、典型問題を身につけることが優先です。その後、共通テスト用の問題集を行うと7割を狙うことができます。高得点を取ろうと思うと難しい単元ですので、取れる部分をしっかりと取っていくことを意識することが大事です。
【第5問】 図形の性質 (選択問題)
教科書である程度定理を覚えたら、共通テスト対策の問題集を解きこみましょう。図形の問題は、解き方が他の分野よりも決まっているので、得点は、努力量に比例します。
図形の問題は、発想力や閃きなどのセンスが必要だと思われがちですが、共通テストではそのような問題は出題されません。
ただし、時間配分には気をつけましょう。図形の問題は、いつまでも考えてしまう人が多く、気が付いたらテストが終わってるということもあります。注意してください。
共通テスト数学ⅠAに向けての勉強法のまとめ
数学ⅠAは数学ⅡBと比べると、共通テスト対策の問題集を解きこむことが7割への近道です。もちろん、教科書や教科書傍用問題集を解くことも重要ですが、形式に慣れる必要があるのが、数学ⅠAの特徴です。
また、満点を狙わないことも重要です。まずは、半分を確実に解いていくことからはじめていきましょう。
共通テスト数学ⅡBで7割を取るための勉強法はこちら👇
共通テスト数学ⅠAの対策なら古賀塾
国立大学合格率88%である個別指導の古賀塾では、共通テストに向けた傾向と対策を実施しております。
手順としては、教科書内容にあるような基本的な内容の定着をした上で、共通テストにむけた演習を行います。
古賀塾では、基本内容に特に重きをおいて指導をしています。
基本=簡単と思われがちですが、決してそういう意味ではなく基本=土台と認識しましょう。
特にセンター試験から共通テストに変わり、この基本の部分が重要になりました。
なので、古賀塾ではこの基本の部分に特にこだわっていきます。
その上で、共通テストの対策を行い、その演習についても段階的にレベルを上げながら対策をしていきます。
詳細については、問い合わせをしてください。
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投稿者プロフィール
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個別指導の古賀塾の塾長。医学部予備校「メディカルラボ」、Z会グループ「アオイゼミ」などで講師経験と東進衛星予備校の校長としての教務経験をもっています。
入試問題の作成や模擬試験の作成、参考書やタブレット教材などの教材作成やマイナビ「中学受験受験ナビ」https://katekyo.mynavi.jp/juken/ などでの連載も行っています。
担当した子ども達に「しっかりと寄り添って自立させる」をモットーに親身になって指導をする先生です。
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