共通テストの点数は、国公立大学を受験する人であれば、必ず必要です。

また、私立大学や推薦入試でも必要になります。

国立大学の合格ラインを見ても70%以上は必要な所が多いです。

ただし、入試は全科目での勝負になるので、数学が苦手な人であれば、他科目で補う戦略を考えることができます。それでも数学の点数があまりにも低いと合格ラインに届かないという状況になります。

また、2次試験には必要がない多くの文系の受験生などであれば、言い方は悪いですが、数学なんか勉強している時間がないという人も多くいると思います。

数学ⅠAはある程度得点できるが、数学ⅡBになると30~40%しか取れずに苦戦している受験生も毎年多く見かけます。

今回は、国公立大学の合格を得意とする古賀塾の山﨑が、数学ⅡBの共通テストの点数を何とか60%以上、そして70%を目標にできるような方法を紹介します。

完答しようとしないこと

後半の問題は捨てて、前半の問題だけ解くくらいの気持ちで取り組みましょう。

極端に苦手な単元が無ければ、50点を取ることは難しくありません。7割を取るにはもう少し頑張らないといけませんが、100点を狙うように一問一問を解いていくよりも、まずは取れる所をしっかり取りに行くという姿勢が重要です。

ある程度の単元別の演習が済んだら、共通テストの勉強に進みましょう。

はじめは、大問の半分プラス1問、2問と徐々に解く問題を増やしていきましょう。

やり直しの際に解説を読むときも、最後の問題まで理解しようとしなくていいです。自分が楽に理解でき、自分で解けそうだと思う所まで理解するようにしましょう。

教科書例題レベルはできるようにすること

教科書の問題と4STEPやクリアーのような教科書傍用問題集は解けるようにすることです。

共通テストはいうまでもなく教科書をベースに作成されています。教科書にある問題とその類題は解けるようにしておきましょう。受験まで残り時間が少ないのであれば、苦手な単元、つまり、大問の半分を正答できない分野についてのみ取り組めばいいです。

もし、教科書の内容が理解できない場合や教科書傍用問題集を演習していて解けないものがある場合は、先生に質問しましょう。

また、おすすめの参考書を紹介します。教科書の意味を理解できない単元などがあり、勉強が進まない場合は、苦手な単元のみ『初めから始める 数学』という参考書に取り組むことをおすすめします。

この参考書は、各単元の核となる例題のみを取り扱っており、さらに他の参考書には無いレベルで一行一行の式変形も解説しており、かなり分かりやすいです。苦手な人向けの参考書なので、共通テストの内容を網羅できてはいないので、この参考書を終えたら、教科書や4STEPやクリアーのような教科書傍用問題集が解ける状況になるまで演習しましょう。

数学ⅠAとの関連していない数列・ベクトルで勝負

数学ⅡBの「数列・ベクトル」は、数学ⅠAが苦手な人でも得点化できる単元です。

例えば、数Ⅱの「微分」においては、数Ⅰ「2次関数」数Ⅱ「高次方程式」を応用した分野になるので、「微分」を勉強する前にできるようにならないといけない単元があります。

その点、「数列」や「ベクトル」は基本的には、独立した単元といえるので(図形の性質は少し含む)、これらを勉強すると点数になります。

数列・ベクトルが苦手な人は、確率分布の選択も可

2次試験で数学を使わない、私立大学の入試などで数学を使わない文系の人などは、確率分布を選択するのも一つの手です。

数列・ベクトルのいずれかがどうしても苦手であるという受験生は、確率分布を選択することを考えてもいいです。一部の学校や予備校では、文系クラスは、意図的に選択させている所もあります。

注意も必要です。残念ながら、一部の学校や予備校では、確率分布を授業で取り扱わないあるいは軽く触れるだけの所もあります。

学習環境も考慮して、どのようにするべきか考えてください。お悩みの場合は、ご相談ください。

出題パターンを覚えること

センター試験の出題パターンは多くありませんでした。共通テストについても今後も大きく変わらないものと思われます。よく出てくる問題は、解き方を覚えておきましょう。

ただ、聞かれ方や表現の方法が変わる大問も出てきます。また、大問の後半は思考するような問題も出てきます。

今回の記事で伝えたいのは、あくまでも70点を取るために、いかに少ない努力で得点できるかが大事だと思っています。

基本的には、共通テストの前半は、決まった出題パターンが繰り返されると考えていいです。共通テスト用の問題集を繰り返し解くことで解き方を確認しておきましょう。

単元別勉強法

【第1問】三角関数、指数・対数関数

[1](三角関数)

公式が多く、2次関数と関連する単元です。

三角関数は、非常に公式の多い単元ですが、公式が成り立つ理由を一つずつ理解していくと、かなり覚える量を減らすことができます。

また、共通テストの出題パターンはかなり似ていて、共通テストの問題集や過去問、予想問題集などを三角関数だけに絞って解いて演習しましょう。特に三角比の表を利用した問題が苦手な人はしっかりと対策をしておきましょう。

努力した分、結果につながる単元です。頑張りましょう。


[2](指数関数・対数関数)

計算力が重要で、2次関数と関連する単元です。

指数計算、対数計算に慣れるまでが一番のハードルです。共通テストの勉強に入る前の教科書の問題と4STEPやクリアーのような教科書傍用問題集を勉強している段階をじっくりと行いましょう。

ある程度自信がついたら、共通テストの問題集で演習を繰り返しましょう。

【第2問】微分法・積分法

面積公式など時短テクニックを使いこなせることが重要で、2次関数と関連する単元です。

この分野は、解き方を知っているかどうかでかなり差が出ます。7割を取ることを目標にするのであれば、教科書は使わずに、共通テストの問題集や参考書を中心に勉強することをおすすめします。

【第3問】確率分布と統計的な推測(選択問題)

計算は多くなく、公式を覚えれば、7割は狙える単元です。

教科書の問題と4STEPやクリアーのような教科書傍用問題集を解いたうえで、共通テストの問題集の演習を行い、解き方を定着させましょう。高得点を取ろうとすると、統計の意味を理解しないと正しい選択肢を選べませんが、典型問題を正答するだけであれば、型がめちゃくちゃ少ないです。

【第4問】数列(選択問題)

教科書の問題と4STEPやクリアーのような教科書傍用問題集を解いた後は、誘導に乗れるように丁寧に文章を読むことを意識しましょう。

他の単元と比べると解き方が決まっている分野ではなく、流れを読み、今何を求めているのかを常に把握することが重要です。その部分の読解ができないと難しく感じる単元です。逆に言えば読解力があれば、すぐに得点につながる所でもあります。

【第5問】ベクトル(選択問題)

解き方は非常に分かりやすいので、きちんと演習すればいいのですが、計算量が多いのが欠点です。

数学が苦手な人の多い文系の人は、苦手とする人が多いです。

思考する力はほとんど必要がないので、努力しだいです。共通テストの問題集をたくさん解きましょう。

演習の際に、できれば実際のテストの余白に計算するようにしましょう。計算量が多い単元ですので、計算過程はたくさん書くことになります。しかし、テストの余白も限られているので、その中で計算できるかどうかの練習も必要になるので、機会があれば実践してください。

数学ⅡBは、努力すればできるようになる

冒頭に述べたように満点を取るテストではないので、初めのうちは半分解くくらいのイメージで取り組みましょう。

極端にできていない単元は、単元ごとに対策を行いましょう。

数学ⅠAはできるけど、数学ⅡBができていない人であれば、第1問、第2問は努力すれば、すぐできるようになります。

数学ⅠAの二次関数が苦手な人は、数列・ベクトル・確率分布で点数を稼ぎましょう。

古賀塾では、一人ひとりに担任がつき、学習プランを考えてくれます。受験の戦略も含め、ご相談ください。

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投稿者プロフィール

山﨑 翔平
山﨑 翔平
個別指導の古賀塾の塾長。医学部予備校「メディカルラボ」、Z会グループ「アオイゼミ」などで講師経験と東進衛星予備校の校長としての教務経験をもっています。
入試問題の作成や模擬試験の作成、参考書やタブレット教材などの教材作成やマイナビ「中学受験受験ナビ」https://katekyo.mynavi.jp/juken/ などでの連載も行っています。
担当した子ども達に「しっかりと寄り添って自立させる」をモットーに親身になって指導をする先生です。