こんにちは。個別指導の古賀塾の山﨑です。

今回は、数学はある程度できているとは思うが、得意な科目とは言い切れない。駿台模試の偏差値60は超えた状態にはしておきたいなど、様々な理由から現状の点数には満足できていない人に向けて、偏差値50の人が偏差値60を超えていくための参考書や問題集を紹介します。

1.独学で数学を偏差値60にすることは可能か 

独学で数学をできるようになることは可能です。塾や予備校に通いながら学習するとより可能性は上がりますが、結局どれだけ塾や予備校で理解ができても定着させるステップではすべての人が独学となります。むしろ、塾や予備校に通っていることで安心してしまって、勉強しない人もいるので、塾や予備校に通えていないことで焦り、結果的に勉強できている人の方が有利とも言えるかもしれません。

ただ、独学で学習している人は、どうしても塾や予備校に通っていないことで不安になってしまっているのも確かです。塾や予備校ではどのような指導をしているのか知ることで軽減できるかもしれません。

独学の学習方法はこちら

独学で大学受験数学をはじめるおすすめ参考書・問題集11選 - 個別指導の古賀塾

2.駿台模試で偏差値60になる方法

駿台模試だけではありませんが、偏差値60というのは非常に高いハードルです。

偏差値50までは、模試の過去問を何度も解けば、難しくなく取ることはできます。

しかし、偏差値60からは過去問を解くだけの方法では難しいです。ちゃんと実力をつけていく必要があります。

入試のための勉強を行い、正しく勉強をしましょう。

3.駿台偏差値を上げるための参考書

偏差値60に向けて今一度理論が理解できているか確認【プラスエリート】

数学は、各単元の理論をどれだけ理解できているかどうかが応用力に関係してきます。今、駿台模試で偏差値50は超えてはいるものの、次の壁である偏差値60を超えるために、理論の理解の確認を行いましょう。

プラスエリートという教材には、多くの例題が載っているだけではなく、各単元の概念をかなり細かく丁寧に書いてあります。実際に、私もこの教材を定期的に読んで概念の確認を行っているほどです。初学者向けではないので、ある程度自信がある人でないと読みきれないので注意が必要です。具体的には、ヘロンの公式や攪乱順列(完全順列)、部分積分を簡略化する方法(瞬間部分積分)など、教科書には書いていないが有名な定理や考え方、公式なども載っています。この1冊を理解すれば、知識面で劣ることはありません。

この本、参考書に載っていない高校数学の知識はない!と言い切れるほどの内容なので、学校の先生や塾講師として働いている人も是非読んでみてください。

単元の理解を深める【標準問題精講】

単元に集中して様々な例題の学習ができます。多くは入試問題で構成されており、正答率が高い問題を中心に取り扱われています。

〇二次曲線・複素数平面 分野別 標準問題精講

〇整数分野別標準問題精講

〇場合の数・確率分野別標準問題精講

〇軌跡・領域分野別標準問題精講

〇微分方程式・複素整数 分野別標準問題精講

など単元・テーマを分けたものも存在します。これらがおすすめです。

「質」を重視した教材で、ガンガン解いていくスタイルの教材ではありません。

各問題の【精講】と書かれている部分にしっかりと解法やそれにいたるまでのプロセスが書き込まれており、各分野の理論を実践へ移してくれます。【研究】と書かれている部分では、出題の背景などが書かれています。時には大学で学ぶ数学の知識から入試問題が作成されているので、この部分を、読んでおくと数学に対する理解が深掘りできます。

特に上記5冊に関しては、苦手とする人も多いのではないのかと思います。しかし、それぞれの分野は入試頻出テーマですので、苦手な分野は絞った対策が有効です。

これらの教材も、塾の先生や学校の先生にもおすすめです。定理などを説明する際に、わかりやすい例などを用いて、伝わりやすくする工夫がされています。

例えば、相加平均・相乗平均の大小関係など、不等式の表すことの意味を分かっていない人に対して、

5人クラスの生徒の身長は「162cm、171cm、181cm、166cm、177cm」であったとき、このクラスは、身長160cm以上と言える。つまり、160cmの人がいると主張していないし、160cmより大きい161cm、もっといえば160.00001cmがいるとも主張していない。

$$ x≧2 というのも同様で、x=2 があるとは主張していないし、$$

$$ x≧2のすべての実数が存在するとも主張していません。$$

少し例は変えていますが、予備校の先生方の表現は分かりやすいものが多いので、参考になります。

量を解いて慣れていく【チョイス】

比較的軽めの問題集です。つまり、「量」を重視した教材です。

問題数が多いためほぼ全ての数学の基本例題が確認できます。解くのに掛かる時間も意識して、テンポよく解きましょう。引っかかる単元がある場合は、再度学び直すといいでしょう。

毎日10問などルーティン教材として選択するといいでしょう。数学ができるようになるまでの過程ではやはりある一定量の演習は不可欠ですので、やり切りましょう。

問題Aと問題Bに分かれており、問題Aに関しては、黄色チャートと主な同じレベルなので、ここの部分で分からない問題があると学び直しをおすすめします。また、問題Aに関しては、1題あたり3~5分程度の目標時間を設け、スピードも意識した学習を行うといいでしょう。

基本例題、典型問題の確認ができる【プラチカ】

同じ河合出版から出されているチョイスのワンランク上の教材になります。チョイスほどの量はありませんが、各大学の正答率が高い問題が多く出ており、まずはこのレベルの問題がしっかりと解けるかどうか演習し、確認をしましょう。重くない問題が多いので、1日に5~10問など解く量を意識して学習しましょう。

「量」をこなして基本レベルをドンドン解いていきましょう。

解く力があるのかテスト【理系標準問題集】

質を意識した勉強と量を意識した勉強を実践した後は、できるようになったかのチェックです。問題数も多くなく、標準的な良問が揃っています。できれば、1番から順番に解くのではなく、ランダムに解いていくことで、ムラのない学習が可能になります。1日4問を目標にテストするといいかなと思います。テストとして使うためには、単元がばらつくように工夫するといいでしょう。

合否を分けた問題が多数【国公立標準問題集CanPass】

同じ駿台出版から出されている標準問題集のワンランク上の教材になります。合否を分ける問題レベルの問題が多く出題されており、国立大学理系志望であれば、しっかりと解けるか確認しておきたいところ。この教材を利用して、思考力を強化していきましょう。分からない問題があっても考え抜くことにチャレンジしましょう。時には1週間考え続ける問題があってもいいです。

「質」にこだわり、熟考する練習をしましょう

最難関大学合格に向けて【やさしい理系数学】

河合出版から出されているプラチカのワンランク上の教材です。やさしいという名前から基本的な教材であると勘違いする人がいるが、全然やさしくないじゃんとつっこむ人が多いということで有名な教材です。国立理系難関校、私立理系難関校を志望している人で数学を得点源にしたいならば、ぜひチャレンジしてください。

最難関大学の例題から頻出テーマを学ぶ意識をもちましょう

最難関大学に通用するかテスト【上級問題精講】

同じく旺文社から出されている標準問題精講のワンランク上の教材です。問題と解答が完全に分かれているため使いやすい。これをうまく使って、実力を確かめるための教材として使ってみてはいかがでしょうか。頭から1問ずつ解くのではなく、ランダムに5題もしくは6題を解くなど自分の志望する大学の大問数にし、時間も自分の志望校と同じ時間にして演習するといいです。

力があるのか確かめるのもいいでしょう

 思考力を完成させる【月刊大学への数学】

東京出版から毎月出されるこの教材。年間を通して、各単元の演習ができます。この教材のいい所は、どの月にどの単元をやるのかをカリキュラムとして作ってくれているので、プランを考えなくていいというところ、そして一番は、学力コンテストに応募することで添削してもらえるということです。S、A、Bの3コースで今の自分のレベルに合ったコースを選択し、チャレンジしましょう。解いている際は、答えが載っていないため、自然と思考しないといけない状況をつくることができます。

学力コンテストで、思考力を強化していきましょう

4.ここまできたら過去問演習をしっかりと

ここまで頑張ったのであれば、更にやるべきことは過去問しかありません。しかもこのレベルをやっているということは、東京大学や京都大学のような最難関大学を目指している人だと思うので、それらの大学の過去問をやりましょう。

これを言うと元も子もない話ですが、ここまでのことをやらないと、大学に受からないかと言えば、そう言うわけではありません。全科目の合計点で合否は決まるので、他の科目でできない科目があるのであれば、そちらを優先しましょう。

5.駿台模試の偏差値60までに向けて

数学はある程度できるようになってからの方が点数をあげることが難しいということは認識しておきましょう。そして、内容も難しくなってきますので、学んだことをちゃんと復習することが大事です。今一度復習の仕方も確認しておきましょう。それぞれの参考書をどのような目的で使うのかを決めておくと勉強を積極的に行うことができます。ただ解き進めるという無機質な勉強ではなく、この教材はテストするために使う、この教材では計算スピードを早くするために使う、計算ミスを無くすために使うなどスキルを上げるための教材として

使っていくと、伸ばすべきスキルが伸びていきますのでおすすめです。

また、計算ミスなどによりテスト本番で点数を落とすのはもったいないので、計算ミスが多い人もミスの無くす方法をチェックです。

学習計画をしっかり立てて継続して勉強することが重要です。頑張っていきましょう。

ここまで来ると数学の完成に向けて努力するだけと言えます。

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投稿者プロフィール

山﨑 翔平
山﨑 翔平
個別指導の古賀塾の塾長。医学部予備校「メディカルラボ」、Z会グループ「アオイゼミ」などで講師経験と東進衛星予備校の校長としての教務経験をもっています。
入試問題の作成や模擬試験の作成、参考書やタブレット教材などの教材作成やマイナビ「中学受験受験ナビ」https://katekyo.mynavi.jp/juken/ などでの連載も行っています。
担当した子ども達に「しっかりと寄り添って自立させる」をモットーに親身になって指導をする先生です。