今回は、叱り方についてお話しいたします。
子を持つ親なら誰しも、子どもをどのように叱るといいのかを悩んだことがあることと思います。
最近、ネットなどでは『叱ってはいけない』と言うようなことをおっしゃっている方がいらっしゃいますが、これまでの私の経験上、叱らないと子どもは成長しないと言うのが結論です。
褒めることで自己肯定感を高めると言うことも場合によっては必要ですが、自分の子どもの能力を最大限に引き出し、変化の厳しい世界の中で、他者と上手く関わりながら人生を生きていくためには、大人になるまでにどんな叱り方をされたかと言うのが、大きく関わっていると思います。
褒められるだけで、叱られていない人間は、大人になった時に打たれ弱くなり、少し叱られただけでこの世の終わりのような状況に陥ってしまいます。
私の教え子で九州大学の生徒がいましたが、年末に私に会いにきて『先生、私が中高生の時に厳しく叱ってくれてありがとうございました!』と笑顔で言うのです。
すかさず私は「本気で言ってるの?皮肉か何かなの?』と言ってしまうほどでしたが、本人はいたって本気に言っているのです。
『なんで?』と聞いてみると、彼の研究室の配属が決まり、研究室の新入生がみんな集められたときの話をしてくれました。
その研究室は学生から非常に人気があり、成績優秀者でないと研究室に入れてもらえなかったそうです。
私の教え子は、さぞかしみんなすごいんだろうと思って最初の集会に集まったのですが、些細なことで新入生の1人が教授から注意を受けたそうです。
私から厳しく叱られていたその教え子からしたら、全くなんとも感じない、ただの注意ぐらいの内容だったそうですが、なんと次の日にその教授から注意を受けた学生は研究室に来なくなったそうです。
やっていける自信がないと言い残して・・・
それをみた私の教え子は、私から中高生の時に叱られていなかったら、自分もあんな風になっていたに違いないと思ったそうです。
しかし、叱り方にもコツがあります。叱った、叱っていないではなく、叱り方を間違ってはいけないのです。
今回は、実際に、どのように叱っているのか、私の考える叱り方をお伝えしたいと思います。
子どもを叱る際に、どう言うことに気をつければ良いのでしょうか?参考にしてください。
①子どもを叱る時は本気で叱る
叱るという行為は、叱る側も叱られる側も、非常にエネルギーを必要とします。
なので、一番悪い叱り方は中途半端に叱ることです。
叱る時には、叱る側は『本気で今から叱る』ということを叱られる側に伝え、叱られる側にも『本気で叱られる』という準備をさせます。
場合によっては、いつもと違う環境にしたりするのもいいと思います。
本気で叱るということが大声で叱るというようなことや、感情だけで叱らないように注意が必要です。
感情で叱ってはいけないと言う人もいますが、私はむしろ感情がないと本気であるとは伝わらないと思っています。
そして、相手が納得をしないのならば、納得するまで話をすることも必要です。
本気で叱るということは本気で相手に向き合うということです。
特に、発展途上の子どもと向き合うことは容易なことではありません。
ここぞと言う時には夜通し話をする必要もあるかもしれません。
決して、自分が疲れたからと言う理由や、明日も仕事だからと言う理由で大人が中断すると、叱られてる方は本気で叱られているとは思いません。
本気で叱られていないと感じると、次からどんなに叱られても相手も本気で受け止めなくなります。
こういう意味でも本気で叱るということが重要なのです。
②自分のためではなく子どものために叱る
お母さんに多いのが、叱っているのが自分のためになっている方が多いということです。
あくまでも叱る場合は相手のために叱らなければいけません。
よくあるのが、テストの点数などをものすごい剣幕で叱るお母さん、というパターンです。
だいたい、そういうお母さんと話をしていると、自分も学生の時に成績が良くなかった場合が多く、どちらかというと、そのことがコンプレックスになっている場合が多いです。
その自分のコンプレックスを、無意識のうちに、子どもに頑張らせることで、自分の代わりに克服してもらおうとしている方も多くいらっしゃいます。
そういう場合はほとんどの場合、叱れば叱るほど逆効果となり、子どもは全く聞いてないことがほとんどです。
あくまでも叱る場合は自分のためではなく、子どもの将来のために叱っていると言うことが子どもにも伝わるように叱りましょう。
③子どもを叱るなら、以前のことを持ち出さない
これもお母さんに多いことですが、前に叱ったことを持ち出して、ガミガミと叱ってしまうことがあります。
叱られている方からすると、最初こそ叱られていると思い聞いていたことも、以前のことを持ち出されると、だんだん、嫌気がさしてきます。
結構、無意識のうちに以前のことを持ち出しているお母さんは多いです。
私の好きな言葉で『過去は善』という言葉があります。
過去のことをいちいち重箱の隅を突くように話をしても、言われる側はたまったものではありません。
過去のことは何かの意味があって起こっていて、今の自分の肥やしになっているだから、過去を持ち出さないと言う考えが重要です。
④子どもを叱るときは、話は短く
向き合うときはとことん向き合わないといけない場合もありますが、普段から長々とガミガミと叱られていると、だんだん子どもは『またか…』と思うようになり、『いつになったら終わるんだろう?』という感じで時計を見たりして、話を全く聞かなくなってしまいます。
叱る効果はその長さと反比例すると言われています。
そもそも私の今回の叱り方と言う文章が長いのに短くと言っているところに、かなりの矛盾を感じていますが、できる限り叱る時間は短くするようにしましょう。
そして、その叱った空気を引き摺らないようにしましょう。
⑤その場その時に叱る
過去のことを持ち出さないと言う話はしましたが、その場その時に叱ると言うことも重要です。
あの時はこうだったとか、ああだったとか言われても、言われている方もなんのことを言われているか記憶が曖昧な場合もあります。だからこそ、叱る時は現行犯で叱ることが重要です。
⑥ダメなものはダメ
怒りっぽい保護者の方に多いのが、些細なことで子どもを叱っていると、だんだん面倒くさくなって、子どもが駄々をこねたりすると、その場を収めようと妥協してしまう方がいらっしゃいます。
確かに、妥協してしまう場合もあると思いますが、これを繰り返すと、子どもはどれぐらい駄々をこねれば許してもらえると言うことを計算できるようになってしまいます。
その結果、とんでもない状態になってしまうこともあります。
これの最たるケースが、中高生のスマホの使用問題です。
約束を決めても守らない。守らなかったらのことを決めていても、いざ、そうなってしまったら決めたことを実行しない。
そうしているうちに子どものスマホ依存はひどくなり、手がつけられなくなり、引きこもってしまうと言うこともあります。
非常にエネルギーを要することですが、一線を超えるような、本当にダメな場合や約束をしたことは何が何でも実行しなければ、それ以外で叱っていても意味がなくなってしまいます。
子どもの健やかな成長には、必ず、子どもがこれは無理だと言うような子どもの前に立ちはだかる壁のような存在の大人が必要です。
これは人間だけではなく、生物の成長には必ず『抑制』が働いてないといけません。
皆さんにも、学生時代に「この先生の言うことは絶対に聞かないといけない」「この先生がダメだと言ったら絶対ダメだ」というような先生がいたはずです。
そういう先生のことを心理学用語でインヒビター(抑制者)といい、子どもが成長していく上で必要な存在なのです。
言い方を変えれば、些細なことはどうでもいいけど、ダメなものはダメだと言うことをしっかり叱って教えられれば、子どもはちゃんと成長するとも言われています。
⑦結果ではなく努力を叱る
子どもたちに指導をしているとよくあるのが、保護者がテストなどの結果のみでものすごい剣幕で叱られることがあります。
叱っているというか怒っているというか。
一方で、5人の子どもを全て医学部に合格させたご家庭の保護者は、結果ではなく、結果までのプロセスをよく見ておられました。
『テスト勉強で数学のあの単元はあれだけ頑張ってたのになんで結果が出なかったんだろうね? 一緒に考えようか?』ということをお母様がおっしゃっていたことを記憶しています。
プロセスを見ていない保護者に限って結果を叱る方がいらっしゃいます。
仕事も一緒ですが、結果が悪いからと言って、ガミガミと自分の感情を爆発させても、相手が結果を出せるようには絶対になりませんよね。
大人でもそうですから、子どもなら尚更で、あまりにも結果のみで叱っていると、テストのたびごとに異常に怯えてしまったり、怒られることを回避するために、嘘をつくようになってしまいます。
子どもがテストの結果を隠し始めてしまった場合は、結果で叱っている兆候ですので、お気をつけください。
⑧解決策を具体的に示す
最後は、叱ったあとのことです。
叱るだけ叱って、じゃあ具体的には『自分で考えなさい!』という感じの保護者の方も多いと思います。
確かに、意図的に考えさせることは重要です。しかし、全く以前にも叱ったことがないようなことを自分で考えなさいと言っても、子どもは考えることはできません。
材料がないのに料理ができないのと同じです。
しっかり丁寧に具体的な解決策などを提示してあげないと、ただ叱られただけで、何も残らず、同じことを繰り返してしまいます。
叱ることとセットで具体的な解決策を理解させるようにしてください。
子どもを叱る塾の指導法
今回は、さまざまな子どもの𠮟り方について、まとめてました。
我々、個別指導の古賀塾では厳しい指導を日々行うことこそ、子供の成長に繋がると信じています。
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こちらの記事【福岡西区で最も厳しい塾が考える「真の厳しさ」とは!?】でも紹介したように、古賀塾は、厳しく子ども達を鍛えて、それぞれの夢の実現のサポートをさせてもらっています。
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投稿者プロフィール
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現在は福岡市西区にあります、株式会社amiciで統括責任者として働いております。
以前は、東進衛星予備校の校長として13年間ほど勤務しておりました。教え子には東京大学(理科三類含む)、京都大学、一橋大学、九州大学、医学部医学科(国公立・私立含む)などの多くの合格者を出しておりました。長女が生まれたのをきっかけに、理想の教育施設を作りたいと現在の会社に転職しました。 株式会社amiciは2016年4月に民間保育所のプティット福重ルームからスタートしました。
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