中学受験の算数に出てくる集合算で使える公式と解き方を解説しています。
「集合算」は、集合というのは何かしらの特徴を持った数字のグループのことを意味します。
〇で割れる数や整数、小数や、あるいは偶数や奇数といったように、数字というものはグループ(集団)を作ることができます。
そしてこのグループ(集団→集合)が2つ以上登場し、片方に入るもの(属する)もの・両方に入る(属する)もの・両方に入らない(属さない)もの、といったような事柄を考えていくのが集合算というものになります。
また「集合算」を解く際にベン図と呼ばれる図を書くことで、視覚的に問題を解くこともできます。
ご家庭で「集合算」をお子さんに教える際に、教え方が分からないと困っている方もいると思います。
今回は、基本的な部分の指導を得意とする「古賀塾」の先生、日本数学検定協会認定 数学コーチャー西野が、「集合算」の教え方についてまとめます。
集合算の基本の3パターン
それでは以下の3つのパターンを考えてみましょう。同じようにお子さんに教えてもらえたらいいです。特に、数式だけで理解させるのではなく、「線分図」を利用して考えることが、今後の計算でも非常に役に立ちます。
【解法1】ベン図を使って求める
【解法2】倍数の問題
【解法3】最大・最小の問題
【解法1】ベン図を使って求める
手順① 問題文を読んで、「ベン図」を書いてみましょう。
ベン図の書き方
①~⑤の5つの領域を考えて書きます。
① クラス全体の人数
② 国語だけが好きな人数
③ 算数だけが好きな人数
④ 算国両方好きな人数
⑤ どちらも嫌いな人数
手順② ベン図を書いた後、領域の中に数字を入れていきます。
①~⑤の5つの領域を考えて書きます。
① 40人
② 18-9=9人 ←間違いないように!
③ 15-9=6人 ←間違いないように!
④ 9人
⑤ ①−(②+③+④)
=40-(9+6+9)
=16人・・・(答)
※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。
【解法2】倍数の問題
手順① 問題文を読んで、「ベン図」を書いてみましょう。
ベン図の書き方
①~⑤の5つの領域を考えて書きます。
① 1~100までの数(100)
② 5の倍数であるが、6の倍数ではない
③ 6の倍数であるが、5の倍数ではない
④ 5の倍数でも6の倍数でもある→30の倍数である
⑤ 5の倍数でも6の倍数でもない
手順② ベン図を書いた後、領域の中に数字を入れていきます。
①~⑤の5つの領域を考えて個数を考えます。
① 100個
②+④=100÷5=20個
まず5の倍数の個数を出します。
③+④=100÷6=16個
次に6の倍数の個数を出します。
④ 5と6の最小公倍数である30の倍数の個数を求める
100÷30=3個
手順③ 5の倍数であるが、6の倍数でない整数②の個数を求めます。
②=20-3=17個・・・(答)
※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。
【解法3】最大・最小の問題
手順① 問題文を読んで、「線分図」を2通り書いてみましょう。
線分図Ⅰ
⑴ 全体の人数(45人)を線分で示します。
⑵ 左側にそろえて2種類(計算・漢字)の人数の線分を書きます。
⑶ 左側から共通している長さの人数は21人とわかります。
つまり、これが両方ともに80点以上をとった人数の最大値になります。
手順② 問題文を読んで、「線分図」を2通り書いてみましょう。
線分図Ⅱ
⑴ 全体の人数(45人)を線分で示します。
⑵ 左端側に1種類(計算)右端側に1種類(漢字)の人数の線分を書きます。
⑶ この2本の線分の重なっている部分 21+25-45=1(人)
つまり、これが両方ともに80点以上をとった人数の最小値になります。
手順③ 答えをまとめます。
計算も漢字も80点以上取ったのは、
1人以上21人以下となります。・・・(答)
※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。
集合算の教え方のまとめ
集合算の考え方は、ベン図を書く、線分図や表を利用する、など問題文を読んで視覚的に示すことで、問題の内容を整理・理解することができます。
始めはなかなか書けなかったり、ベン図の領域の数の出し方が分からなかったりするかもしれません。
ただ、この集合の考え方は高校生の数学まで繋がっていく内容になりますので、早いうちから図を書く練習をしてイメージができるようにしていきましょう。
そこから「公式」というものが出てきた時に、自在に公式を使って答えを導くことができるでしょう。類似問題がたくさんありますので、問題演習を通してしっかり押さえていきましょう。
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