「通過算」は、速さの問題の1つで、中学受験に出題される文章題の頻出テーマの一つです。

「通過算」とは、列車など動くものがある地点を通り過ぎたり、鉄橋やトンネルを通ったりする際の速さ、時間、道のり等を求める問題です。問題では列車が使われることが多いです。速さの問題の特殊な例の1つで、他に「時計算」「流水算」があります。

今回は「通過算」を通して、速さの基礎の確認を行いながら、パターン別に解説を行っていきたいと思います。

ご家庭で「通過算」をお子さんに教える際に、教え方が分からないと困っている方もいると思います。
今回は、基本的な部分の指導を得意とする「古賀塾」の先生、日本数学検定協会認定 数学コーチャー西野が、「通過算」の教え方についてまとめます。

通過算の基本の3パターン

 それでは以下の3つのパターンを考えてみましょう。同じようにお子さんに教えてもらえたらいいです。特に、数式だけで理解させるのではなく、方程式のやり方をかみ砕く形での解法となりますので、「型」を覚えてほしいと思います。

  【解法1】電柱を通過する
  【解法2】鉄橋<トンネル>を通過する
  【解法3】トンネル内に隠れている

【通過算の解法1】

 通過算の解法の手順を整理します。

【ポイント】
列車の先頭がどこからどこまで進んでいるか(動いたか)を考えて距離(道のり)・速さ・時間を求めていきます。途中、単位に気をつけながら計算をしていきましょう。


手順① 列車の先頭に注目して、列車の先頭が電柱を通り過ぎる時にどのくらい進んでいるかを考えましょう。

 図より、列車の電柱を通り過ぎる距離
     =列車の先頭が進んでいる距離
     =列車の長さ300m


手順② 速さの公式より、時間を計算する。

 <速さの公式> ※計算するときには、単位に気を付ける。

   時間=距離(道のり)÷速さ
   速さ=距離(道のり)÷時間
   距離(道のり)=速さ×時間

速さは秒速20mなので、速さの公式より
   時間=距離(道のり)÷速さ
     =300÷20
     =15(秒)・・・(答)

※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。

【通過算の解法2】

【ポイント】

 鉄橋を渡り終えるまでに、列車の先頭は、渡り始めてから最後尾が鉄橋から出るまでの距離を進むことになります。

手順① 列車の先頭に注目して、列車の先頭が鉄橋を渡り終えるまでにどのくらい進んでいるかを考えましょう。

 図より、列車の鉄橋を渡り終えるまでの距離
     =列車の先頭が進んでいる距離
     =列車の先頭が進んでいる距離
     =鉄橋400m+列車の長さ80m
     =480m


手順② 速さの公式より、時間を計算する。

 <速さの公式> ※計算するときには、単位に気を付ける。
   時間=距離(道のり)÷速さ
   速さ=距離(道のり)÷時間
   距離(道のり)=速さ×時間

速さは秒速20mなので、速さの公式より
   時間=距離(道のり)÷速さ
     =480÷20
     =24(秒)・・・(答)  

※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。

【通過算の解法3】

【ポイント】
 列車がトンネル内にいるのは、列車がトンネル内に完全に入ってから、列車の先頭がトンネルの出口に差し掛かったところまでとなります。


手順① 列車の先頭に注目して、トンネル内に隠れている間に、列車の先頭がどのくらい進んでいるかを考えましょう。

 図より、トンネル内に隠れている間に進んだ距離
     =列車の先頭が進んでいる距離
     =トンネル510m-列車の長さ90m
     =420m


手順② 速さの公式より、時間を計算する。

 <速さの公式> ※計算するときには、単位に気を付ける。
   速さ=距離(道のり)÷時間
   時間=距離(道のり)÷速さ
   距離(道のり)=速さ×時間

   速さ=420÷14=30  秒速30m


手順③ 秒速を時速に変換します。

  秒速30m・・・1秒間に30m進む
            ↓
         60秒間(1分間)に30×60=1800m進む
            ↓
         60分間(1時間)に1800×60=108000m進む
       → 108000mを㎞になおす 
       → 1㎞=1000mなので、108000÷1000=108㎞
  時速108㎞・・・(答)

 ※ 秒速から時速に変換する場合

       秒速〇m×3600÷1000 をするのですが、太字の部分は3.6となるので
       秒速から時速に直すときは、秒速の数字に3.6をかけるとよい。

       秒速30m →  秒速30m×3.6=時速108㎞ となります。


※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。

通過算の教え方のまとめ

 通過算の問題を解く際には、「速さ」の問題の基本事項の確認が前提となります。距離(道のり)、速さ、時間の関係を公式を使って求められるようにすることが必要です。

その上で、通過算の場合は、列車の先頭がどこまで動いているのかを考えて、速さの公式を使って求めることになります。今回の問題は列車が動き、電柱や鉄橋・トンネルは動かないものとの問題になりますので、まだ解きやすい問題となっています。これが2者が両方とも動く場合の問題も出題されますが、これは旅人算の内容にもなりますので、その際にまたお話することにしましょう。

まずは通過算の問題で、基本の3パターンを解けるようにしましょう。問題文に「進んだ距離」が普通に書かれていないという特徴があります。問題文から無理に読み取ろうとせず、きちんと図を書いて「進んだ距離」を把握しましょう。そのあとは、速さの公式を使ってとくようにしましょう。

福岡県西区で中学受験をする方は、キッズライトで対策を!

キッズライトは、福岡県西区の「学童」です。

学童が、「学習塾」を運営しております。おもに西都/今宿/玄洋/元岡/周船寺小学校に通うお子さんが、2023年度より西都北小学校に通うお子さんが利用する学童です。

一般の「学習塾」と違い、「学童」が運営しているので、子どもの「生活面」や「性格面」、ノートの使い方などの「勉強時の癖」などさまざまな所作から、指導しています。

このように勉強法を正しく指導することに拘っているので、キッズライトは、中学受験のみならず、日常学習にも力を入れております。

中学受験に精通しているプロの講師も滞在しており、真の実力、学力を学ぶことができる環境になっております。

福岡にお住まいの方は,是非一度訪ねてみてください。お待ちしております。

※ キッズライトについての記事はこちらをご覧ください。
九大学研都市駅前の学童!世の中を学べるキッズライトとは!?

2024年度 夏期講習

2024年度も夏期講習を実施します

詳しくは下記のバナーからご確認ください

LINE友だち追加・YouTubeチャンネル登録をお願いします!

古賀塾では、高校受験・大学受験を目指すお子様向けの情報や対策動画などを定期的に発信しています。

投稿者プロフィール

山下 拓海
山下 拓海
生徒それぞれの目標に対し、現状把握・分析から最短距離で合格するためのカリキュラムとスケジュールを作成し、進捗をしっかり管理することで合格力を高めます。
大学在学中から塾講師として指導に携わる中で、生徒の成績をアップさせることに魅了されました。東進衛星予備校の校長としての教務も経験しております。
難関高校、難関大学合格は決して夢ではありません。本気で合格したいと思うなら、古賀塾がとことんサポートします!