「倍数算」は、「割合(比)」の問題の1つで、2つの数量が増えたり減ったりするとき、変化する前の数量や変化した後の数量などを求める問題になります。また、複数の比が出てくることで、変化する前の数量と変化した後の数量を「最小公倍数」用いないといけないことから、倍数算と呼ばれています。このテーマは文章題に限らず、比をそろえるといった事が図形の問題でも出てきますので、まずはいくつかの問題を例にして、倍数算の解法について解説します。

ご家庭で「倍数算」をお子さんに教える際に、教え方が分からないと困っている方もいると思います。

今回は、基本的な部分の指導を得意とする「古賀塾」の先生、日本数学検定協会認定 数学コーチャー西野が、「倍数算」の教え方についてまとめます。

倍数算の基本の3パターン

 それでは以下の3つのパターンを考えてみましょう。同じようにお子さんに教えてもらえたらいいです。特に、数式だけで理解させるのではなく、方程式のやり方をかみ砕く形での解法となりますので、「型」を覚えてほしいと思います。

  【解法1】総和が変わらない
  【解法2】前後の差が変わらない
  【解法3】前後の和も差も同じではないとき

【倍数算の解法1】

倍数算の解法の手順を整理します。

手順① 問題文を読んで、線分図を書いてみましょう。

 〇2人の総和(合計)は変わらないので、同じ線分の長さの中で、比を用いて線分図を書 いてみましょう。

手順② 比の総和を「最小公倍数」でそろえます。 

 比の総和を「最小公倍数」で合わせて、同じ比で考えます。
 9と3の最小公倍数は9となります。やりとり後の比は、3倍して3:6となります。
 すると、やり取り分の比が②となります。それが400円となりますので、400÷②=200円 ①=200円とわかります。

手順③ はるとくんの最初の所持金を求めます。  
 よって、はるとくんの最初の所持金は⑤ですので、 
    200×5=1000円となります。・・・(答)

※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。

【倍数算の解法2】

手順① 問題文を読んで、線分図を書いてみましょう。

 2人が使った額400円を、端にそろえて線分図を書いてみます。それ以外が残った所持金となるので、その比を7:4と図に記入します。


手順② 2人の所持金の差は変化していないことを利用して、比を求めます。

 2人所持金の差は変化していないので、使う前の比①と使った後の⑶が同じです。1と3の最小公倍数3に合わせます。
  かずまくんの所持金の比から、⑨-⑦=②=400円となるので、①=200円となります。


手順③ 和真君の所持金を求めます。  
  よって、かずまくんの所持金は、200円×⑨=1800円となります。・・・(答)

※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。

【倍数算の解法3】

手順① 問題文を読んで、線分図を書いてみましょう。

 2人の最初の所持金・その後の所持金の比を使って、線分図を書いてみます。

手順② 最後の比に注目して、はるとくんの線分図を2倍します。

  →はるとくん×2=ゆうまくん となることを利用します。 
 はるとくんの線分図を2倍にしてみると、最後の比が同じになります。

 はるとくんとゆうまくんのはじめの所持金が⑧:③、はるとくんが800円使いゆうまくんが200円もらったら同じ金額になります。
 ⑧-③=⑤=800+200=1000円
→①=1000÷⑤=200円 

手順③ はるとくんの所持金を求めます。 
 よって、はるとくんの最初の所持金は、200円×4=800円・・・(答)

※答えが出た後は、問題に合っているか確認をすることを忘れないようにしましょう。

倍数算の教え方のまとめ

倍数算の問題は、線分図の書き方に加えて、比の性質をうまく使えるようになっていないと難しく感じてしまいます。同じ量を違う基準で比で表されている場合は、必ずそろえることが必要となり、ここで最小公倍数を使うことになります。解き方としては

①まず線分図を書いてみましょう。
②同じ量を比でそろえる際に、最小公倍数を用いて求めてみましょう。
③数量と比が両方わかる部分を見つけましょう。
④ ①の数量を計算しましょう。
⑤ 問題に合っているか必ず確認しましょう。

やりとりや増減が複雑になっている問題もありますので、問題を読む力(分析力)も必要となりますので、基本問題を繰り返し解きながら、少しずつレベルを上げていきましょう。

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投稿者プロフィール

山﨑 翔平
山﨑 翔平
個別指導の古賀塾の塾長。医学部予備校「メディカルラボ」、Z会グループ「アオイゼミ」などで講師経験と東進衛星予備校の校長としての教務経験をもっています。
入試問題の作成や模擬試験の作成、参考書やタブレット教材などの教材作成やマイナビ「中学受験受験ナビ」https://katekyo.mynavi.jp/juken/ などでの連載も行っています。
担当した子ども達に「しっかりと寄り添って自立させる」をモットーに親身になって指導をする先生です。