こんにちは。個別指導の古賀塾の山﨑です。

九州大学を目指しているのだけど,「どの参考書や問題集を使えばいいですか。」と聞かれることが多々あります。

合格するためにしっかりと参考書を選びたいですよね。

九州大学や医学部などの難関大学に対応する参考書・問題集の基本プランを紹介したいと思います。

今回紹介するのは、王道中の王道なので「苦手な単元を集中して克服したい」という方には物足りないかもしれませんが、多くの受験生が使っているので、やっていないと不利になることもあります。

自分に合う参考書・問題集を探せ!

そもそも教材は、自分の実力に合うものを使わなければ十分な効果は望めません。

これは、学校や予備校の授業のレベルや課題についても同じことが言えます。では、自分の実力に合うものとは何か。

それは「全体の7割はなんとなく分かる教材」です!

自分ができるかできないかギリギリくらいのラインを設定することで、学習効果が高まるだけでなく、モチベーションを維持しやすいという効果もあります。実際にあった例を紹介します。

私の教え子で、東京大学医学部に合格した生徒がいました。

彼は、高校2年生の夏に、『数研出版 黄チャート』に取り組んでいました。

一方、彼の周りの友人は『数研出版 青チャート』や『大学への数学 1対1対応の演習』に取り組んでいました。

ご存知の方が多いかも知れませんが、難易度は 黄色チャート < 青チャート で黄色チャートの方が比較的簡単です。

同じくらいの実力を持っている彼らでしたが、『黄チャート』の演習に取り組んでいた彼は、1日20〜30題の演習を行っていました。

一方、友人達は1日に5〜10題の演習を行っていました。

演習量だけ聞くと『黄チャート』の演習に取り組んでいた彼の方が、努力家であるように思えるかも知れませんが、大事なことが2点あります。

1点目は、20〜30題を1日にできる問題レベルの演習を行ったということです。

彼は「青チャート」の場合、1問理解するのに20分や30分掛かる問題もありました。

しかし、「黄チャート」の場合、1問理解するのに5分で終わっていました。

実力に対して5分で終わるレベルの問題が多い問題集であったということが1点目のポイントです。

2点目は、テンポ良く進むことができることです。

やはり、難しい問題を継続してやることは強い意志が無い限り難しいです。

レベルを調整することで、勉強し続けることが可能になりました。勉強の意識を維持できるということが2点目のポイントです。

結果的に、「黄チャート」を行っていた彼は2ヶ月で数Ⅲまでの全範囲を完成させたことで、「青チャート」も同じスピード(1日20題ペース)で演習を行うことができました。

高校3年生の春の時になると、「黄チャート」を行っていた彼は「大学への数学 新数学演習」を、友人達は「大学への数学 1対1対応の演習」を行っていました。

このときには、桁違いに数学の実力の差がついていました。

難しい入試問題を焦って解く必要はありません。自分のレベルに合った教材を選ぶということが非常に重要だということです。

特に受験する年の夏ごろまでは、できる限り基本的なものを多く解くようにしてみてください。

九州大学などの難関大数学における王道の参考書・問題集

では、本題の参考書紹介です!レベル・ステップごとのおすすめをまとめましたので、現時点の自身のレベル・ステップに合わせて活用してください。

①教科書+教科書ガイド

基本的な例題や演習問題が載っていることはもちろんのこと、様々な公式の証明についても載っています。

ここまで丁寧に書いてある教材は中々無いです。

数学という学問を抑えるにはやはりここからという内容です。ただし教科書には演習問題の解説が無いので、そこは教科書ガイドで補うようにしましょう。

まずはここからという参考書です。

②チャート式 解法と演習(黄チャート):数研出版

数学強化の初期にはピッタリ!

教科書レベル〜私立医学部において、合格最低点を目標とするレベルまで対応できる参考書です。

この問題集を使うときは、1つ1つの例題をきちんとインプットし、解き方を正しく理解してください。問題(例題)を見た瞬間に解き方がわかる場合は、すぐに解答を見て、確認するだけでも良いです。方針を確認することが重要です。

逆に、考えても解けない問題や、解説を読んでも理解できない問題は、ノートに写すだけでも良いです。解法を暗記するつもりで取り組んでください。ただ、近くに先生がいるのであれば、質問した方がいいです。

③カルキュール数学:駿台文庫

基礎〜標準レベル演習用教材です。共通テストの頻出テーマ網羅できていることはもちろん、私大入試でしか見られないようなテーマにおいても十分網羅できています。

2〜3周は行うと良いです。

ただ、公式の説明や解説が少ないため、演習用の教材として活用しましょう。

④チャート式 基礎からの数学(青チャート):数研出版

基本的には黄チャートと同様、様々な例題が載っている参考書です。

地方国立医学部、難関国立大学レベルで問われる知識を中心に扱っています。基礎力がない人が取り組むと最後までやりきれないことが多いかと思います。

また、必要以上に時間が掛かってしまうこともあるので注意してください。

⑤最高の演習:東進ブックス

問題のレベルが難しすぎないので、入試問題の演習をスタートするのにちょうど良いレベルです。

解説の解法がチャート式とリンクしており、チャートユーザーには取り組みやすい1冊です。単元ごとに解くも良し、ランダムに解くも良し、最後までしっかりと演習しましょう。ここまで解けば、地方国立医学部や日本医科大学・順天堂大学などの問題を解く力はついているかと思います。

⑥理系標準問題集:駿台文庫

中堅国立2割、上位国立6割、難関国立2割くらいの問題バランスで構成されています。他の問題集と比べても圧倒的に解説が丁寧です。別解も紹介されています。赤本や15ヵ年シリーズに入る前にやる問題集として、解説が詳しいこの教材はおすすめです!

⑦様々な入試問題集

このレベルまで来ると後はひたすら演習あるのみです。

自分の受ける大学の過去問を最低でも10年分はやりましょう。旧帝大などを受験するのであれば15年〜30年分やりましょう。様々な教材があるので、チャレンジしてみてください。

以下、入試問題集のおすすめ参考書の一覧です。

<東大の理系数学27ヵ年>

<国公立標準問題集 CanPass 数学ⅠAⅡB>

<国公立標準問題集 CanPass 数学III>

<[改訂版]理系数学 入試の核心 難関大編>

<[三訂版]やさしい理系数学>

適切な参考書も使わなければ無意味!

様々な参考書を薦めさせてもらいましたが、「言うは易く行うは難し」、実行しなければ無意味です。

難関大学を受験するみなさんにとっては特に、数学の勉強というのは他教科と比べても正直大変だと思います。

だからこそ、数学の得点を伸ばすためには、どうすれば「愉しく継続できるか」が重要だと思います。

以前、TVにも出ていたある予備校の先生に次のようなことを言われました。

「大手予備校の英語や国語などの数学以外の科目の先生は、年間で偏差値を平均で10〜15は伸ばす。ただ、数学に関しては、大手の先生でも偏差値5程度しか伸ばすことができない。」

この話を聞いた時、数学は授業力に依存しない科目だと思いました。

というのも、この大手予備校の先生は、お世辞にも授業が上手いとは思えない先生で、授業を受けた生徒も同じことを言っているのですが、この先生の授業を受けた生徒の偏差値は少なくとも10は伸びていたからです。

この先生の拘りは、圧倒的な演習量。

とにかく宿題が多い。

また、宿題のバリエーションも豊富で、生徒は数学の質の良い勉強を継続して行うことができていました。(しかも、この先生は宿題をやらないとすぐに怒鳴るので、やらざるを得ない環境でした(笑))

数学の学習において、動機はなんでもいいので、とにかく継続することが重要なことだと思います。どうすれば継続できるのかに工夫を凝らすと良いでしょう。

最近ではX(旧 Twitter)などのSNSで勉強アカウントという勉強する同志を集うなどの方法で、勉強をがんばっている人も増えています。

このように、友人を巻き込むも良し、継続するための工夫をし、継続して数学を得点源の科目にしてください。

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投稿者プロフィール

山﨑 翔平
山﨑 翔平
個別指導の古賀塾の塾長。医学部予備校「メディカルラボ」、Z会グループ「アオイゼミ」などで講師経験と東進衛星予備校の校長としての教務経験をもっています。
入試問題の作成や模擬試験の作成、参考書やタブレット教材などの教材作成やマイナビ「中学受験受験ナビ」https://katekyo.mynavi.jp/juken/ などでの連載も行っています。
担当した子ども達に「しっかりと寄り添って自立させる」をモットーに親身になって指導をする先生です。