九州大学は、日本の九州地方を代表する国公立大学の一つとして、多くの受験生にとっての憧れの存在です。特に進学校に通う高校生にとって、九州大学は一度は考える選択肢となるでしょう。この記事では、九州大学の英語入試に焦点を当て、その対策方法を詳しく解説します。

動画でも解説してます。ご覧ください。

 九大の英語【難易度】

九州大学で出題される英文は、他の旧帝大(東京大学、京都大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学)に比べて、取り組みやすい難易度になっています。

しかし、それがそのまま簡単かというと、そうでもありませんし、九州内の他の国公立大学に比べれば難しくなっています。 

その原因は、英文そのものというよりも、解答の量が多いことです。

たとえば2022年の第1問には、問1が150字の要約、問2が38語からなる英文の和訳(→約100字)があります。続く第2問にある記述問題も合計で200〜250字ほど、第3問にも合計で200字程度の記述が必要となります。そして第4問が100words程度の自由英作文、第5問がグラフを読み取った上で75wordsの自由英作文です。

1つ1つの難易度はそれほど高くないため、確かに、語彙や構文のレベルをトップレベルまで仕上げる必要はないかもしれません。

しかし、これだけの記述量を試験時間内に処理しきるためには、早く正確に意味や該当箇所を見極め、情報を過不足なく書き進めていくことが重要です。

傾向が違いますが、やや強引に英検で例えるならば、準1級に合格したあとには、1級の合格を目指すよりも2級の問題で確実に9割近くをとれるように準備しておこう、という感じです。

九大の英語【傾向】

近年の九州大学の英語入試の傾向を見ると、大問は5つ、長文読解の配点は120点、英作文の配点は80点となっています。この傾向を理解することで、効果的な対策が可能となります。

2016年は、大問が4つの構成でしたが、第3問の小問の中に、100wordsの英作文が出されていたので、基本的な構成は同じと言ってよいでしょう。

長文読解は、英問英答の形式が出ていたこともあります。

英作文は、和文英訳の問題が出ていたり、ずっと前には英文で要約をさせる問題も出たこともあります。

 九大の英語【目標得点】

概ね7割程度が必要得点になると思われます。

ある年の合格者に協力していただき、点数開示をしてもらったことがあります。

40人ほどが協力してくれ、その合格者の平均点が125点ほど(200点満点の6割ほど)でした。

英語が100点(5割)くらいで合格した人もいましたが、そういう場合は、たとえば物理が8割近くとれているなど、数学や理科の得点がとても高かったです。

このようなことを考えると「過去問などでは7割の140点を目標にしつつ、本番で120点を確保できるように仕上げていく」ようになるでしょう。

薬学部や医学部などは、さらに1割ほど増した160点を目指しましょう。

九州大学の長文読解の対策

下線部和訳 

九州大学の英作文は、自由英作文が主流となっています。この部分の対策として、和文英訳の練習を先に行うことで、文法的に正しい文章を書くスキルを身につけることが重要です。

テーマについても、比較的新しい科学や科学技術の話が出てくることもありますが、偉人の伝記やエッセイが出てくることもあり、文系にも理系にも抵抗が少なくなっています。

論理構成も分かりやすいものが多く、ちゃんと練習をしていけば、何と何が対比されているのか、これは何の具体例なのか、などを考えながら読み進めることができるようになっていくでしょう。

下線部和訳の問題では、訳す文がやや長いことがありますが、複雑になっていることは少ないです。

たとえば倒置された文くらいは出てくることもありますが、高校の教科書に載っているような、お手本のような倒置であることが多く、落ち着いて処理すれば訳すことはできるでしょう。

関係代名詞がつくなどして主語や目的語が長くなる場合がありますが、そういうときでも基本として「構文を正確にとる」、そして「それを活かした訳をつくる」という流れを意識することが重要です。

第5文型であれば、「SによってOがCする」というような定型の訳を思い出して、それから具体的にSやOを訳していってみてください。

内容説明

下線部和訳問題で述べたコツは、内容説明の問題であっても通用します。

九州大学の英語では、『AとBの違いに注目しながらXについて説明しなさい』というような指示を出される場合があります。

こういった場合には、まずは頭の中に「Aは◯◯◯だが、Bは△△△であり、Xとは……ということである」のように、解答の枠組みを作ってしまいます。

そのあとに、Aについて説明した箇所、Bについて説明した箇所を探し、丁寧に訳をしていく、という流れです。

長い記述に慣れるまでは、このような枠を意識しておかないと、書いている途中に何が主語で何が述語か分からなくなってしまうことがあります。

また、字数についても100字や150字などの指示が出されることがあります。ただし、字数の指定がなくとも、必要な項目を書いていくと100字程度になることが多いようです。

その他

あとは、学校で使っている単語・熟語帳を何度も繰り返し確認しながら、たくさんの英文に触れていきましょう。

「この段落は具体例を言っているのか、主張をしているのか」

「thisやsuchは何を指しているのか」

「何と何が対比されているのか」

といったことにも注目しながら読解をしていると、さらに早さや正確さが増すでしょう。

九州大学の英作文の対策法

 和文英訳

和文英訳は、いわゆる「つぎの日本語を英語に訳しなさい」というタイプの問題です。

最近は自由英作文が主に出題されており、今後も自由英作文が続くと思われますが、和文英訳タイプも合わせて対策しておくことをおすすめします。

自由英作文の勉強をする前に和文英訳の勉強をすることで身につけたいスキルは、「自信をもって、文法的に正しい文を書けるようになる」というものです。

英作文の点数が上がらない人の特徴として、

 「なんとなく覚えている知識でばかり戦ってしまい、

  そのせいで、なんとなく良さそうな文はかけているが、

  細かいミスでの減点が重なって、結局ほぼ0点」

となっている、というものがあります。

その状態を避けるためにも、まずは、文法的に正しいもの、正確に覚えていると自信のある表現や例文をストックしていきましょう。

また、和文英訳の問題が出題された場合に重要なことは、

 ・主語は何なのか、動詞の時制は何にするのかを考える

 ・難しい表現にこだわりすぎない

  →少し簡単な言葉に言い換えてでも、ちゃんと伝わることを優先する

という点です。

例文を暗記する際にも、このような点に注目すると良いでしょう。

これらができるようになった上で、自由英作文の練習に臨みましょう。

自由英作文

九州大学に限らず、多くの大学で出題が増えているのが、この自由英作文の形式です。

自分の意見を100words程度で書くものもあれば、九州大学の最近の特徴として「グラフを読み取って、英語で説明する」というものもあります。

どちらの場合も、やっぱり文法的なミスをしないこと、最後まで書くことが重要です。

これらを踏まえ、

 「問題集に取り組む際は、賛成意見だけでなく反対意見でも書いてみる」

 「解答例を自分でも書けるようにする(書いたり音読したり)」

 「イラストがある場合には全てに触れる」

などに意識して取り組みましょう。

自由英作文の学習をしていると、添削が必要かどうかを尋ねられることがあります。

自分の答案を添削してもらうことは、良いことだと思います。添削してもらえる環境にいる人は、ぜひ、お願いしていきましょう。

一方で、気をつけなければならないこととして、自分の書いた答案の添削では、表面だけを整えることになってしまうことにもなりやすいです。

「そもそも英作文って、こういうふうに考えたり、こういうふうに展開して書いたりすると良い」という正しい考え方を身に着けていく方が、得点アップには大きく寄与する場合がすくなくありません。

したがって、優先順位は

①正しい発想/表現を身につける

②自分の答案を添削してもらう

と思っていて良いでしょう。

九州大学の対策なら古賀塾!

今回は、九州大学の英語の対策法について見てきました。

九州大学の英語は、決して簡単ではありませんが、ちゃんと対策していけば、得点は伸びていきます。

自分の今の勉強の仕方で良いのだろうか、もっと具体的なアドバイスが欲しい、1年生の今から始めるなら何をすれば良いのだろう、などと思った方は、ぜひLINEなどからご相談ください。

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投稿者プロフィール

山下 拓海
山下 拓海
生徒それぞれの目標に対し、現状把握・分析から最短距離で合格するためのカリキュラムとスケジュールを作成し、進捗をしっかり管理することで合格力を高めます。
大学在学中から塾講師として指導に携わる中で、生徒の成績をアップさせることに魅了されました。東進衛星予備校の校長としての教務も経験しております。
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