高校入試が終わり、この時期の新高校1年生には様々なタイプの人がいます。

高校入試で燃え尽き症候群になっている人、高校入試の勉強でしばらく体を動かしていなかったため鍛え直している人など様々です。

ただし、入学後授業についていけないかもと心配な人も多いと思います。春から高校1年生になる中学3年生にとって、春休みをどのように過ごすかは重要です。

今回は、入学する前にどんな勉強をしておくといいのかおすすめの勉強や参考書を紹介します。

入学前は不安で当然

入学前で不安だと、古賀塾に問い合わせをした新高校一年生がいました。

非常に良い相談だと感じました。

ぜひ多くの新高校一年生とも共有したいと思い、今回記事にしました。

中学の時は、高校や大学に進学する予定のない人も含めたテストで偏差値や順位を出していました。

しかし、高校のテストは同じくらいの実力の人の中でテストをすることになるので、今まで一位しか取ったことのない人ですら、下から数えた方が早いような順位になることもあります。

このような心配は当然出てきます。この不安を解消するには、事前に予習し、準備しておくことが大切です。

以下に、どのような準備をしておくといいのかアドバイスしたいと思います。

予習するなら、数学、次に英語

入学前に予習して準備する科目は数学がおすすめです。

理由は、難しいからです。大学受験をするのであれば、多くの人が大学入試共通テストという入試を受験することになると思いますが、2022年度の共通テストでは数学の平均点が約4割と非常に低い結果となりました。

点数が低かったからという理由だけで難しいと判断しているわけではありません。

数学の問題を見ると、以前の入試と比べても難しい問題が非常に増えました。

以前の入試(センター試験)では、教科書や教科書傍用問題集にある問題がそのまま出題される部分も多く、問題集をこなすと、点数がある程度は取れるテストでした。つまり、よく理解はしていないけど、たくさん問題を解くという努力をすると7割は取れたテストでした。しかし、共通テストになって大きく変わりました。教科書や教科書傍用問題集に載っている問題が出題されるわけではなく、正しくそれぞれの単元を理解していないと取れないような問題や問題の誘導を理解できる力などがないと4割以下になるようなテストになってしまいました。

対策する方法は、問題を何問解いたかではなく、正しく理解することです。正しく理解するのは大変なことです。だからこそ、早いうちに取り組み始めることが大事です。時間のあるこの春休みの間に数学を勉強しておくことを強くおすすめします。

数学の勉強の他にやるなら英語

大学入試では、理系だろうが文系だろうが、英語はほとんどの大学で使用します。理系に進学するか、文系に進学するかを決めていない人であれば、英語の勉強であれば、無駄になることはありません。また、仮に理系に進むと決めていたとして、主要科目である理科の勉強をするとしても、学校によって、カリキュラムが異なるので、どの勉強をすれば良いのかわかりません。英語であれば、確実です。

おすすめの先取り学習方法と理由

個別指導の古賀塾では、高校に入学したあとに苦労をしないようにするために、学びエイドという映像授業を使って、先取り学習を行っていきます。

※学びエイドについてはこちら👇の記事をご覧ください。

古賀塾における学びエイド活用の理由と効果

学校の勉強に苦戦している多くの先輩に聞くと、入学する前に貯金していたら良かったと後悔している人ばかりです。

入学後は、部活や学校の宿題などの影響もあり、かなり忙しくなります。

テストの科目数も英語2つ、数学2つ、国語2つ、理科2つ、社会2つや3つなど中学の頃とは比較にならないほど増えます。

つまり、テスト前の勉強だけではなんとかならない人が多いです。

できる限り後手後手にならず、テスト前に勉強をしなくて済むように勉強しておきましょう。

数学のおすすめの教材

数学の先取りをするときに、おすすめの教材も紹介します。

数学を先取りする時の注意点

学校で使われる参考書に、「チャート式」があります。この教材は非常に良い参考書ではありますが、先取りには、不向きです。学校が始まり、各単元を理解し始めた頃に使うことをおすすめします。

というのは、チャート式は例題と練習問題がたくさん載っている網羅型の教材ですが、基本事項が要約されているだけで、丁寧な説明は書いていません。つまり、二冊目の教材だということです。この時期は、理論や原理、公式を理解することに専念しましょう。

※チャート式は多くの方が使用することになると思います。チャート式については以下の記事を参照ください。

白チャート・黄チャート・青チャートの違いとおすすめの人を紹介 - 個別指導の古賀塾

おすすめの参考書

〇マセマ出版「初めからはじめる数学」

単元の核となる部分をわかりやすく説明している参考書です。一行一行丁寧に解説しているのが特徴的で、教科書では行間を自分で理解しないといけないのですが、この参考書はそういう箇所も、吹き出しで解説しています。その分、網羅性には欠けるのですが、入学前であれば、最も重要なところのみ理解すればいいので問題ありません。

〇小倉悠司先生「ゼロから始める数学」

吹き出しで、説明を細かく入れている参考書です。数学用語に抵抗がないように、わかりやすい言葉でも説明されているので、数学が苦手な子でも理解しやすいと思います。

ただ、数学が苦手な人向けの参考書かと思えばそうではありません。

定理の証明もいくつかいれて、腑に落ちやすいのを選べるようにしてる。つまり、原理をしっかりと理解してもらいたいという所が強調されているので、数学が得意だろうが苦手だろうが、多くの人におすすめします。

また、会話形式だから読みやすいという特徴もあります。

しかし、数学が苦手な人にも丁寧に、かつ、網羅性もあることから分厚い参考書です。

計画して取り組むことが大事です。

コツとしては、やりはじめると、スラスラ進む参考書だと思います。そこまでが勝負です。分厚い分、終わったら達成感もあるかもしれません。

〇迫田昂輝先生「数学のトリセツ!」

活字に抵抗がある人は動画つきの参考書をおすすめします。

中学の数学と高校の数学の大きな違いは、覚えることの多さです。つまり、情報量が多いということです。読書する習慣のある人は、活字から情報を得ることを得意としている傾向があります。TVやYouTubeなどから情報を得ることを得意としているならば、動画から情報を得る方が効果的です。情報量の多い高校数学だからこそ、自分に合ったスタイルの勉強法を選んでいきましょう。

動画つきの参考書は増えてきています。また、YouTubeなどで受講できるものも増えてきています。しかし、迫田昂輝先生の授業は、他の授業と比較できないくらい、見やすい、聞き取りやすいです。

以前、YouTubeなどを中心に勉強していた生徒に、YouTubeなどの授業はわかりやすいか尋ねたことがあります。その時の感想は、数学の映像授業は暗い人ばかりだと言っていました。

その点、迫田先生は、明るく授業をやっているので、積極的に勉強に取り組むことができると思います。この点もおすすめする理由の1つです。

英語のおすすめの教材

英語の先取りをするときにおすすめの教材を紹介します。

英語を先取りするなら、英単語を覚えること

英単語を覚えないと英語ができるようにならないということは高校入試で嫌というほど経験したと思います。春のうちに英単語をある程度覚えておくとかなり有利になります。

おすすめの参考書

〇「英単語ターゲット1200」

英単語を覚えるのであれば、単語テストも行うことができるターゲットがおすすめです。「ターゲットの友」というアプリを使うと無料でチェックテストを行うことができます。おすすめの単語帳は他にもたくさんありますが、高校1年生になる人であれば、とにかく量を覚え、テストすることが最も重要だと考えます。難しいことを考えずに、ゲーム感覚で覚えていきましょう。

〇大岩秀樹先生「大岩のいちばんはじめの英文法: 超基礎文法編」

高校で習う英文法のうち、最も重要な核となる部分のみを丁寧に解説している参考書です。高校で覚えるべき英文法は非常に多いですが、初学から細かい所まで覚えていくと、核が何であるか見えなくなります。細かい所を取り除いた状態で勉強をすると大事な所が非常によくわかります。是非、この春のうちに高校の英文法を一通り見て、全体像を知りましょう。

〇田中健一先生「英文法入門10題ドリル」

英文法をある程度理解した後は、慣れることが大事です。英語は語学である以上、他教科と比べ、経験値が非常に重要となります。英文法入門10題ドリルでは、英文法を体で覚えることができるようになります。我々も、日本語を体で覚えてきたと思います。国文法を意識しながら日本語を使っているというよりも、感覚で使っている人が多いと思います。

田中先生のドリルで、どんどん解いて、解けることの楽しさを味わいつつ、高校入学後、細かい所を習った時に、見たことある表現だと気付けることを目標にしましょう。

大学受験までで一番時間が作れるのは新高校一年生の春

高校が始まると長期休みは部活や補習などがあるので、ほとんど時間が取れません。それに対して、入学前の春休みはこれらが無いので自由な時間を作ることができます。このことに気づくのは本来入学した後なので、今知れてラッキーだと思うことにしましょう。

スタートダッシュで周りに差をつけよう

同じ学校に通う友達とは、高校入試を終えた瞬間ではほぼ同じ実力だったとしても入学した時には大きな差が生まれているものです。また、入学してからは自由な時間を作りにくくなるので、一度できた差を埋めるのはかなり大変です。年単位です。

春休みの勉強をしっかり計画し、高校生活を楽しめるような準備をしておきましょう。

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投稿者プロフィール

山﨑 翔平
山﨑 翔平
個別指導の古賀塾の塾長。医学部予備校「メディカルラボ」、Z会グループ「アオイゼミ」などで講師経験と東進衛星予備校の校長としての教務経験をもっています。
入試問題の作成や模擬試験の作成、参考書やタブレット教材などの教材作成やマイナビ「中学受験受験ナビ」https://katekyo.mynavi.jp/juken/ などでの連載も行っています。
担当した子ども達に「しっかりと寄り添って自立させる」をモットーに親身になって指導をする先生です。