こんにちは。個別指導の古賀塾の山﨑です。
入試1年前になると今まで部活や趣味を楽しんでいた人でも受験勉強を始めようと思うものです。しかし、いざ勉強を始めようとするも、何から始めたらいいのか分からないからできないという人は多いと思います。
今回は、地方国立大学を目指す理系の受験生が、受験までの一年間でどんな勉強をすればいいのか、勉強計画の例を紹介します。
本記事は、受験まで残り1年の国公立大志望の受験生に向けて書きますが、部活をやっている高校1年生や2年生にも受験のことが気になる人も参考になるはずです。
地方国立大学の特徴
地方国立大学は共通テストで高得点を取ることができれば合格できる可能性は極めて高いです。
大学入試の得点は、共通テストの得点と2次試験の得点の合計になります。この得点は、大学によって、配点が異なります。
建築を志望している人を例にしてみます。
旧帝国大学であり、難関大学である九州大学の場合は、以下のようになります。
共通テスト450点/2次試験700点の配点で、共通テストのボーダー得点率が75%です。
共通テストは900点満点で実施されるので、半分に圧縮されることになります。
※Kei-netより参照( https://search.keinet.ne.jp/1405/general/exam_subject )
熊本大学では、以下の通りです。
共通テスト450点/2次試験550点の配点で、共通テストのボーダー得点率が63%です。共通テストについては、九州大学と同じように半分に圧縮されているように見えますが、共通テストの英語の配点は通常R:L=1:1の所が、R:L=4:1の配点になります。
九州大学に比べて、共通テストの比重が大きいことが分かります。
※Kei-netより参照(https://search.keinet.ne.jp/1440/general/exam_subject )
長崎大学では、共通テスト重視型の受験と2次試験重視型の受験を選ぶことができます。
共通テスト重視型の受験では、共通テスト600点/2次試験420点の配点で、共通テストのボーダー得点率が55%です。熊本大学と同じように、英語の配点は、R:L=4:1の配点になります。また、共通テストの数学は圧縮されず、理科は3/4倍に圧縮、その他は半分に圧縮されます。つまり、共通テストの比重が大きいだけでなく、数学や理科の得点率の影響が大きいということです。言い換えれば、共通テストで同じ得点だったとしても数学が高い人の方が有利であるということです。
※Kei-netより参照( https://search.keinet.ne.jp/1435/general/exam_subject )
また、2次試験の難易度は難関大学ほど難しい傾向があります。つまり、2次試験の勉強に非常に時間を要します。
山形大学のように変わった配点になっている所もあります。共通テスト800点/2次試験200点の配点で非常に共通テストの比重が大きいですが、2次試験は面接のみです。つまり、試験は共通テストのみです。英語の配点は、R:L=3:1の配点です。一番の特徴は試験科目です。理科は1科目、しかも、理科基礎でも可能です。つまり、文系でも受験できます。
※Kei-netより参照( https://search.keinet.ne.jp/1065/general/exam_subject )
以上の例の結論として、国公立大学に合格するためには共通テストでいかに高得点を出せるかが重要であると分かると思います。
国公立大学に合格するための勉強計画や学習ポイントを以下にまとめます。
1年間の勉強計画
高2:1月〜4月 / 高3:5月〜9月 / 高3:10月〜1月 の3つに分類して学習のポイントを紹介します。
共通テスト模試の得点目標を整理します。
まず、設定としては、熊本大学の工学部土木建築学科とします。共通テストのボーダー得点率は63%なので、65%前後を目指します。
最終目標は、英語75% / 数学70% / 国語60% / 理科65% / 社会60%とします。
これを達成するためのポイントは、
① 高校3年の春までに何をするのか
② 3年の1学期および夏休みの計画
③ 夏休み後の2次試験対策と苦手科目の克服
④ 12月の最終チェック
です。
これらを含めて、科目ごとにやった方が良い内容を以下にまとめていきます。
高2 1月〜高3 4月
英語:
共通テストに必要な英単語を覚えていないのであれば、この時期に覚えてしまいましょう。持っている単語帳にレベルが書いてあることが多いです。
一つの基準としては、『英単語ターゲット1400』などの基本レベルの単語は覚えていることが望ましいです。
英文法についても、一通りインプットできている状態にしておきましょう。
数学:
数学ⅠAⅡBの教科書に書いていることを理解し、教科書傍用問題集にある応用問題以外は解けるようになっていることが望ましいです。今までは、学校のテスト範囲だけ勉強していた人は、少しずつ勉強する範囲を広げていきましょう。入試範囲は言うまでもなく広いので、意識を変えていきましょう。
国語:
学校の授業を他の科目よりも集中して受けるようにしましょう。定期テストの時も必ず勉強しましょう。英語や数学の勉強は普段行っている分、定期テストの時期の勉強量は減らしても大丈夫です。また、単語テストなどが学校で行われているのであれば、真面目に取り組みましょう。
理科:
高2の1月くらいからは理科の受験勉強を始めることをおすすめします。レベルはゼロから始めても十分に間に合います。教科書レベルをしっかり理解することを優先しましょう。問題が解けない、あるいは、演習量が足りないなどは気にしなくていいです。分からないところは質問するようにしてください。
社会:
国語と同じで定期テストの勉強のみで受験勉強を頑張るつもりで努力してください。
高3 5月〜9月
英語:
文章を訳すことができるようになることを目標にしましょう。英文解釈の力を身につけるための問題集を解いていきます。この際に、文法事項を確認しながら勉強することが大事です。
共通テストの模試を受けた際には、和訳ができるか解説を見てチェックしましょう。時間が足りないと悩む人も多いですが、正しく訳ができるようになってから考えましょう。
数学:
夏休み前の時期に、共通テストの形式やレベル感に慣れる必要があります。模試を積極的に受験し、受験後は丁寧にやり直しをするようにしましょう。その際に、自分ができていなかった単元の勉強を普段使っている参考書でチェックし解きなおしをしましょう。
夏休みには、数Ⅲ範囲である微分積分の計算ができるようにトレーニングしましょう。
国語:
7月8月の夏休みに攻略するように計画しましょう。古文や漢文は、基礎基本が重要視されており、勉強した分だけ、点数に結び付きやすい科目です。
古文は、古典文法・古文単語・古典常識・敬語法、漢文は、返り点・句法・漢字の用法や読みを意識した勉強を行いましょう。
理科:
夏休み前に、数学同様共通テストの形式やレベル感に慣れる必要があります。1月頃から始めた理科の全範囲の学習が終わっていない場合はそちらを優先し、模試のやり直しだけは丁寧にやりましょう。
共通テスト総合問題集 物理 (河合塾シリーズ)などを演習し、抜けている所をやり直しすることを繰り返していきましょう。
社会:
国語同様、夏休みは社会の勉強を本格的に頑張りましょう。全体像から理解してから、細部を理解していくことをおすすめします。共通テストで求められる以上のことを勉強することは非効率なので、共通テスト用の問題集などを解きながら整理することをおすすめします。
高3 10月〜1月
英語:
共通テストの演習を行うときに時間を測ってやるようにしましょう。やり直しの際には、模試の時のやり直しをするのと同じように和訳のチェックをしましょう。
また、リスニングの勉強も本格的に始めましょう。
数学:
共通テストの演習は週に1年分は時間を測って行いましょう。例えば、共通テスト総合問題集 数学I・A (河合塾シリーズ)などを利用して、定期的に演習しましょう。もちろん、やり直しもちゃんとやることが大事です。
残りの時間は、2次試験のための勉強を行いましょう。数Ⅲを中心に勉強することになると思います。
また、受験校の過去問演習も始めましょう。
国語:
共通テストの演習を週に1年分やれると十分です。抜けている知識があれば、勉強するようにしておきましょう。
理科:
セミナーなどの網羅型の問題集を解き始めましょう。2次試験のための勉強にもなるので、受験校の過去問演習も始めましょう。
社会:
国語と同様に、共通テストの演習を週に1年分やれば問題ありません。
勉強計画を作ることで安心できる
本記事は、受験まで残り1年の国公立大志望の受験生に向けて書きましたが、難関大学を目指す人は、この勉強計画を半年あるいは1年前倒しして実行するとうまく行く可能性が高くなります。
勉強の計画を考える際には、ボーダーラインに対して、どの科目でどの程度の点数を狙っていくかを計画してから、4ヵ月ごとの計画に落とし込みます。
次にやるべきことは、どの教材を使っていくかという計画になります。
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投稿者プロフィール
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個別指導の古賀塾の塾長。医学部予備校「メディカルラボ」、Z会グループ「アオイゼミ」などで講師経験と東進衛星予備校の校長としての教務経験をもっています。
入試問題の作成や模擬試験の作成、参考書やタブレット教材などの教材作成やマイナビ「中学受験受験ナビ」https://katekyo.mynavi.jp/juken/ などでの連載も行っています。
担当した子ども達に「しっかりと寄り添って自立させる」をモットーに親身になって指導をする先生です。
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