英検(実用英語技能検定)を大学入試に使えるという話を耳にしたことはあるでしょうか?
近年、さまざまな大学で、英検があることで試験が免除になったり、満点に換算されたり、英検がある人のみ受験できる試験などもあります。

古賀塾で指導をしていて、存在は知っているけれど、どんなふうに活用できるのか分からない、という相談を高2や高3の生徒から受けることがよくあります。

英検利用については大学ごとに異なるので、今回は、西南学院大学を受験する際の英検利用について、まとめます。

参考になれば、幸いです。

古賀塾では、2023年度における西南学院大学の合格実績は、7名が受験をして6名が合格というものでした。
この6名の生徒の中にも、戦略的に英検2級を獲得していった生徒もいれば、滑り込みで2級に合格したことを上手に活用した生徒もいます。

ぜひ、参考にしていってください。

英検活用のメリット

西南学院大を受験する際の英検活用のメリットは、ずばり

 『英語の試験を免除される』

しかも、英検の得点によっては

 『さらに加点もされる』

という点です。

詳しくみていきましょう。

西南学院大学の一般入試では、基本的には
 □ 英語:100点
 □ 国語:100点
 □ 選択科目(※):100点
という300点満点で合否を決定します。
(外国語学部は英語が1.5倍されます)

※ 選択科目
 … 日本史B、世界史B、地理B、政治・経済、数学のこと

これが、英検などの試験で一定の基準を満たしている人であれば、国語と選択科目のみの200点満点で合否を判定することになります。

さらに高い基準を満たしている場合には、2段階の加算レベルが準備されています。

加算レベルをクリアしていると、他の受験生が

 国語+選択科目

で勝負しているところに

 国語+選択科目+加算

で割って入ることができることになります。

では、「英語の試験が免除される基準(出願資格)」「加算される基準」について続けて見ていきましょう。

出願資格とCSEスコア

英検を大学入試で活用する際、基準として「○級合格」となっている場合もありますが、西南学院大の場合は「CSEスコア」で基準を定められています。

CSEスコアとは、Common Scale for Englishの略であり、とても簡単に言えば「英検を受けたときの点数」と思ってください。

たとえば、

【1級】
 ・合格点:2,630点
 ・全技能の満点:3,400点(各技能の満点850点)

【準1級】
 ・合格点:2,304点
 ・全技能の満点:3,000点(各技能の満点750点)

【2級】
 ・合格点:1,980点
 ・全技能の満点:2,600点(各技能の満点650点)

【準2級】
 ・合格点:1,728点
 ・全技能の満点:2,400点(各技能の満点600点)

【3級】
 ・合格点:1,456点
 ・全技能の満点:2,200点(各技能の満点550点)

となっています。

このCSEスコアを踏まえ、出願資格を確認してみましょう。

2023年度の出願資格では

 総合スコア:1,950 (各技能の基準スコア:450)

となっています。

出願するには、
 ①総合スコアが上回っていること
 ②各技能の基準スコアも上回っていること
の両方が必要です。

大まかな目安は「英検2級に合格していること」です。

ただし、英検2級に合格していれば必ず大丈夫かというと、そうではありません。
各技能の基準スコアにも注意が必要です。

英検2級に合格していれば、確かに合計1,980以上あるのは確実なのですが、もしも英検の試験本番で英作文を上手く書けなくて、

 Reading:600 / Listening:600 / Speaking:600 / Writing:400

という得点だった場合、総合スコアはとても高い(2,200は準1級合格レベル)ですが、Writingの基準を満たしていないため出願できません。

逆に、準1級を受験していて、残念ながら不合格になってしまっていても

 Total:2,000
 Reading:500 / Listening:500 / Speaking:500 / Writing:500

ならば、出願可能となります。

そのため、この「英語4技能利用型一般入試」を受験する際の提出書類は

 合格証明書の原本

ではなく

 合格証明書の原本 または CSEスコア証明書の原本

となっています。

英検で加算されるには

すでに紹介しましたが、西南学院大の英検利用では、英語の試験が免除されるだけでなく加算される場合も2段階あります。

加算される得点は、学科ごとに異なるので、まずはそちらを確認してみましょう。
(2023年度 入試要項より)

【加算レベル1】

人間科学部(心理学科)20点
神学部、外国語学部、国際文化学科
人間科学部(児童教育学科・社会福祉学科)
経済学部(経済学科)、法学部
30点
商学部
経済学部(国際経済学科)
40点

【加算レベル2】

人間科学部(心理学科)40点
神学部、外国語学部、国際文化学科
人間科学部(児童教育学科・社会福祉学科)
経済学部(経済学科)、法学部
60点
商学部
経済学部(国際経済学科)
80点

英語があまり得意ではない生徒にとっては「なんとか基準スコアをクリアした」というだけでも、本番では国語と選択科目しか使わずに済むため、試験がすいぶん楽になっていると感じるはずです。

しかし、加算レベル1をクリアしていると、さらに周りに対してリードできることがわかると思います。

では、気になる加算レベルのCSEスコアを確認してみましょう。
(基準は学科で異なることはなく、統一されています)

 加算レベル1:総合スコア:2,300 (各技能の基準スコア:520)
 加算レベル2:総合スコア:2,600 (各技能の基準スコア:610)

それぞれ、大まかな目安は英検準1級、1級に合格していることになります。

「準1級に合格」と聞くと非常に難しいイメージを持った人もいるかもしれませんが、高校1年生や2年生からコツコツと準備をしていれば到達可能ですし、あるいは2級で9割(全体で88.5%、各技能で86.7%以上)を目指してみるのもアリですね。

いつまでに基準スコアをクリアすれば良いの?

ここまでで、西南学院大を受験する際に、英検を受けておくことのメリットについて話をしてきました。

最後に、いつまでに基準スコアをクリアすれば良いのか、について確認していきます。

結論としては、

 ・従来型 → 第2回実施まで
      (申込:8月、1次試験:10月、2次試験:11月)
 ・S-CBT型 → 11月中旬実施分まで
      (申込:9月〜10月中旬)

になります。

「従来型」とは、昔から行われている

 1次試験(筆記試験)に合格した人が2次試験(面接)に進んでいく

という形式のことです。

「S-CBT型」とは、試験会場に置いてあるパソコンを使って、1日で従来型の1次試験・2次試験を受けてしまうことが可能な形式のことです。

実施級は準1級、2級、準2級、3級となっています。

土日を中心に多くの試験日が設定されているので、自分の都合に合わせて受験することが可能です。

なぜ、上記の日程がラストチャンスになるのかをお話ししていきますね。

西南学院大の「英語4技能利用型」は、一般入試と同じく1月上旬に出願をします。
(2023年度は出願期間が2023/1/4〜2023/1/17となっています)

このときに、英検の「合格証明書の原本 または CSEスコア証明書の原本」を提出することが必要になります。

11月中旬に受験していると1月の上旬に、11月の最後の日曜までに受験できると1月10日頃に成績表が郵送で自宅に到着するため、なんとかギリギリ間に合います。
(年度によっても異なるので、必ず各自でも確認をしてください)

それ以降のテストだと、PC画面などで合否を確認できるものの、原本が届くのは1月20日以降となり、提出に間に合わなくなってしまいます。

ただし、これは本当にギリギリですので、

 □ 高3の10月 → 2級で9割獲得 または 準1級に合格
 □ 高2の10月 → 2級に合格
  (高1の1月や高2の6月 → 2級に挑戦)
 □ 高1の10月 → 準2級に合格

というペースを目標に、日頃の英語学習を進めていけると良いでしょう。

受験対策なら、古賀塾!

今回の記事では、西南学院大学の英検利用についてまとめました。

このように,受験対策というのは各科目の対策も行いつつ、入試制度を利用した戦略も個人ごとに考えて合格しやすい計画を立てています。

英検利用を考えている生徒のカリキュラムの例を紹介します。

西南学院大を志望し、英検利用を考えている生徒の学習計画例

今回は、高校2年生の秋頃から本格的に受験勉強をスタートすることを想定しています。

苦手な単元や忘れてしまっている単元もあると思いますが、実は、学校の授業や定期テストによって、英検準2級に必要な文法事項などはすでに習っています。

そこで、さっそく『短期完成ゼミ』などに20日かけて取り組みつつ、並行して、得点率が低かった単元について手元にある文法問題集などで対策していきましょう。

たとえば不定詞の問題がよく解けなかった場合には、その日のうちに、学校ですでに取り組んでいる『Bright Stage』や『Vintage』、『Scramble』『Next Stage』などの中から、不定詞の章を解いてみる、ということです。

30日前からスタートしていると、20日で1周し、もう1度10日間で取り組めますね。

文法以上に対策が必要になってくるのは、そして、西南学院大などの対策にもつながってくるのは、「語彙」です。

『パス単』が有名で、確実だと思いますが、問題を解いてみて自信があるようであれば『読んで覚える英単熟語』の方でも大丈夫でしょう。

それが終わると、受験に向けて1つずつレベルアップしていくために、もう1度、英文法を総復習していきます。

6月の試験までに、さらに英文解釈までしておきましょう。

試験の1ヶ月〜1ヶ月半前から、また同じように英検対策に取り組みます。

6月を過ぎれば、さらに長文の演習や、単語・熟語などの語彙をさらに強化していきます。

この調子で、11月に加算レベル①をクリアできていると、英語の学習は最低限に抑えつつ、国語(特に古文)や、数学や社会などの選択科目にたっぷり時間を費やして対策することができるようになります。

このように、生徒ごとにプランニングを考え、「個別授業」や「集団授業」を行ったり、どんな教材で学習するべきか決めたりしております。

古賀塾では、受験を直前に控えた受験生を対象に,古賀塾に通っていない人でも受講できる「個別授業」や「集団授業」を行っております。

西南学院大学や福岡大学の英語の対策を行う回もありますので、せひご確認ください!

授業についてはコチラ

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投稿者プロフィール

山下 拓海
山下 拓海
生徒それぞれの目標に対し、現状把握・分析から最短距離で合格するためのカリキュラムとスケジュールを作成し、進捗をしっかり管理することで合格力を高めます。
大学在学中から塾講師として指導に携わる中で、生徒の成績をアップさせることに魅了されました。東進衛星予備校の校長としての教務も経験しております。
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