小学校での英語学習も必修化され、数年が経ちました。

小学生の頃は英文法がたくさん出てくるわけではありませんが、それでもある程度の英文法は勉強したことを前提にして中学校の授業は進みますし、さらに英単語や英熟語は数百語を覚えていることを前提で進みます。

たとえば、can「〜できる」という表現は、かつては2学期の中間テストの範囲でしたが、いまではunit1-3(GW明け頃)に登場します。

そのせいもあるのか、小学生の頃には苦手と感じていなくても、中学生になると苦手になってしまったと感じている生徒が少なくないように思います。

一方で、英語のテスト勉強は、従来どおり「ワークを解くことしかしていないが高得点をとれる」という生徒もいます。

その違いは何なのでしょうか?

今回は、実際に古賀塾で英語の指導している際のポイントを紹介します。

なお、高校英語のポイントについては、こちらのブログでも紹介させていただいているので、ご覧ください。

福岡市西区にある高校生の英語指導塾「古賀塾」の指導ポイントとおすすめの使用参考書とは!?

また、今回も、英検と並行して学習する場合を考えて、級による内容と、おすすめの受験時期についても述べています。

中学英語のポイント

中学英語のポイント(学習の順番)は大まかに次のようになります。

 ① 単語・熟語
 ② 文法・英作文
 ③ 長文読解
 ④ リスニング

定期テスト対策や、高校受験の基本を固めるためには、このうち①と②がとても重要です。

私立高校入試問題の中には発音・アクセントや、長めの英作文を出題するところもありますが、その場合でも、①と②で基礎固めができていれば中3の夏以降の過去問演習で対策していくことが可能です。

また、学習する目的や時期から、次のように分類することもできます。

 ・日常学習
 ・定期テスト対策
 ・長期休暇(夏休みなど)の特訓
  → その直前の学期までに習った内容の復習
 ・受験勉強(英検の対策を含む)
  → 試験用の英単語/英熟語の復習、過去問

今回は「日常学習」「定期テスト対策」に絞って、古賀塾での指導法をお伝えしていきます。

①単語・熟語について

使用する教材について

英語の学習において、最も重要なのは英単語・英熟語をどれだけ多く覚えているか(語彙力)です。

基本的には、日々の学校の授業で登場した英単語・英熟語を覚えていきましょう。

学校で行われる英単語テストでは、合格点ではなく満点を狙って勉強しましょう。

古賀塾でも、定期テストの前に英単語テストを実施しています。

「英語が苦手で…」と相談してくる生徒は、多くの場合、この英単語テストの点数が低かったり、最後まで答えるのに時間がかかっています。

まずは「満点」を、そして「素早く満点」をとれるようにしていきましょう。

余裕のある人や、一気に得意に変えたいと思っている人は、予習で英単語・英熟語を覚えてしまうところまで進んでみましょう。

その段階で完璧に覚えていなくても、授業中に記憶が強化されていきますよ。

日常学習や定期テスト対策では、教科書に出てくる単語でOKです。

英検を受験する場合には、試験の1ヶ月以上前から、対応する級の『パス単』を何度も繰り返して覚えていきましょう。

高校受験の場合は、以下の中から自分に合うものを選んだり、自分のことをよく知ってくれている先生から選んでもらうと良いでしょう。

 ①中学校3年間の英単語が1ヵ月で1000語覚えられる本
 ②中学校3年間の英語表現500が1カ月で覚えられる本
 ③短文で覚える中学英単語1900

単語の一覧を見ながら長期休暇に一気に仕上げてしまいたい人は①・②、
普段の定期テストで英文法には自信があるから、英文法の総復習も兼ねて単語・熟語を確認をしていきたい人には③がおすすめです。

ここまで仕上げれば、あとは過去問を解きながら、その都度、覚えるようにしていきましょう。

英単語・英熟語を覚える際に気をつけるポイントについて

英単語・英熟語を覚える際に気をつけるポイントは、下記の3つです。

 ①隙間時間だけでなく、ちゃんと時間をとって取り組む
  → 日に30分〜1時間など
  → 自分なりにテストもする
   「30分の暗記」より、
   「12分で覚える+3分でテスト」を2セット
 ②短期間で全体を把握→何度も繰り返す
  → 1日10個ずつではなく1日100単語ずつなど。
    何度も何度も繰り返す。
 ③「思い出せる」ではなく「反射で出てくる」がゴール

なお、先ほども紹介させていただいた高校英語についてのブログ『福岡市西区にある高校生の英語指導塾「古賀塾」の指導ポイントとおすすめの使用参考書とは!?』の、単語について解説したセクションや、これも過去のブログですが『単語を覚える』などもご確認ください。

単語に関するよくある質問で「『英語から日本語』と『日本語から英語』は、どっちをすれば良いですか?」というものがあります。

私は、特に中学生の間は「どっちも必要」だと思いますが、ただし「まずは英語から日本語に専念する」ことが大切だとも思っています。

たとえば中学1年生にとって、restaurantやbeautiful、Decemberなどは、かなり書きにくい単語だと思います。

まずは【December → 12月】を覚えられるようにします。

たとえば、声に出しながら【December 12月】【December 12月】【December 12月】などと書くのが良いでしょう。

発音が分からない場合は、先生に聞いても良いですし、googleなどで調べても発音を確認できます。

なお、このとき、書くことが目的・目標にならないようにしてください。

生徒を見ていると、全部の単語を「10回ずつ書く」「ノートの2列に書く」などが目標になってしまっていることがあります。

場合によっては、本当は覚えてしまっている【I 私は】なども10回書いてしまっています。

そうならないように「覚える」ことを目標にしましょう。

【I 私は】などは1回だけ確認のために書くかもしれませんが、【December 12月】を覚えられないなら30回でも書くことになります。

ただ、この30回書く、ということも、たとえば「5回書いたら、いったんノートから目を離して(目を閉じて)思い出してみる」などを途中に挟むようにしてください。

そうやって、覚えるべき単語リストの最後までいき、もう1度、最初から最後まで…を繰り返します。(1日1〜2回)

英語→日本語がスムーズにできるようになってくれば、次は同じようにして日本語→英語に取り組みます。

100円均一ショップなどで黒のボールペンを買ってきて、暗記のために書くときはそのボールペンだけを使うようにして、試験までに何本のボールペンのインクが空っぽになるのかを友だちと競ってみるのも良いでしょう。

空になったボールペンはきっと、試験当日には、何よりも自信につながる御守りにもなります。

②文法について

中学で習う英文法には「順番やカタマリ、型に関するルール」と「形を変えるルール」があります。

こういったルールを意識できている人にとって、たとえば学校のワークは「教科書と同じ型をしている文が何度も出てくる」「同じ型の文で、単語を入れ替えただけ」と感じられるようになっているはずです。

逆に、意識できていない人であれば、とっても多くの種類の英文が出てきて、何を覚えればよいのかもよく分からなくなってしまうかもしれません。

上記の2つのルールは、この文法事項はこっちのルール、その文法事項はそっちのルールというように明確にわかれているわけではないので、実際の例文を見ながら確認していきましょう。

単語を置く順番について(語順)

日本語には【て】【に】【を】【は】などの助詞があります。

「私【は】英語【を】勉強する」などですね。

一方、英語には助詞がありません。

その助詞の代わりになるものが語順です。

英語は
 誰が/は → 〜である/する → 〜を/に
という順番に並んでいます。

文法を勉強するときは、いつも、この語順を意識するようにしてください。

たとえば、教科書の基本文で I study English. を習ったとします。

その後、学校のワークや塾のプリントに取り組むことになると思いますが、このときも、常にこの語順を意識します。

「私は英語を勉強します」と「あなたはサッカーをします」と「彼らは夕食を作ります」は全く別のものに見えていた人もいるかもしれませんが、この語順という点にだけ注目すると、どれも

 英) □ 〜 ○○ 
 日) □ は、○○を〜します。


になっていることに気づきます。

□の場所に、IIやYou, Theyというカードを置いていく。
次は    の場所にstudy, play, cookというカードを置いていく…ということをイメージしつつ、語順に気をつけながらワークに取り組んでいきましょう。

これは、勉強が発展していって、たとえば不定詞や比較、関係代名詞のように難しいと言われる文法事項を勉強していっても、同じように感じられます。

『比較』の単元で例文を書いてみます。

「□は」から始まり、「より〜」という部分を「be動詞 + 比較級 + than」で表しています。

つまり『比較級』という文法単元で、覚えること・身につけることは、1つの型と3つのルールです。

 【型】
 「より〜」を「be動詞 + 比較級 + than」で表す

 【ルール】
  1. -erをつける
  2. 子音+yで終わっていれば、yをiにかえて-erをつける
  3. 長い単語なら 「more + 原級」とする

教科書の基本文を見ながら「たしかにこの型とルールで書かれている」と確認し、この型とルールを何度も思い出しながら、場合によっては実際に声に出しながら、ワークの問題に繰り返し取り組んでみてください。

何度も、型とルールを意識しながら音読をして、少なくとも教科書の基本文は完全に暗唱できるようになっておきましょう。

それができれば、定期テストでも、その先の模試や本番でも、英作文で困ることがなくなります。

古賀塾では、教科書の全訳したものを作成しています。

まずは全訳を見ながら学習し、自分でも説明できるようになることを目指して取り組んでいます。

なお、このようなトレーニングをするためにおすすめの参考書は
 ・英文法パターンドリル 中学1年
 ・英文法パターンドリル 中学2年
 ・英文法パターンドリル 中学3年
 ・英文法パターンドリル 中学全範囲
などです。

be動詞か、一般動詞か

区別ができていない生徒も少なくない、be動詞と一般動詞について簡単に触れて、この章を終わります。

be動詞には、2つの働きがあります。

 be動詞:①「〜です/である」と訳す『イコールの関係』
     ②「〜にいる/ある」と訳す『存在』

これは、たとえば I am a student.は【私 = 生徒】という式が成り立っていますね。①です。

I am happy.も同じで【私 = 幸せ】という式が成り立っていて、①です。
(※ 厳密には、「幸せ」にあたるのはhappyではなくhappinessなのでイコールではありませんが、中学生の時点ではこの理解で十分でしょう。)

続いて、I am home.は、【私 = 家(家庭)】という式は成り立ちませんが、「家にいるよ」という存在を表しています。②です。

「わたしはお昼ごはんを食べました」は、【私 = 昼食】という式は成り立たず、また存在を表しているようにも見えません。
なので、be動詞が出てくることもなく、I ate lunch.となります。

基本的にbe動詞と一般動詞は同時に登場することはなく、どちらか一方のみです。

元の文でbe動詞を使っている文なら否定文や疑問文でもbe動詞を使い、

元の文でbe動詞を使っていない文なら否定文や疑問文を作る際にはdoやdoes, did、あるいはcanやmustなどの力を借りることになります。

 I am not a student.
 Are you a student?

 I am not happy.
 Are you happy?

 I did not eat lunch.
 Did you eat lunch?

be動詞と一般動詞のどちらも書いている(ように見える)のは、進行形や受け身の文を書く場面のみです。

このときは、be動詞を主役として考えて否定文や疑問文を組み立ててください。

③長文読解について

ここまでの段階をしっかり積み上げてきた人にとっては、すべきことはそれほど残っていません。

長文は強敵に見えますが、元は1つ1つの英文が積み重なっただけです。

上記のような準備が出来ていれば、入試対策問題集や過去問などで演習を繰り返していきましょう。

古賀塾では、秋以降、模試や福岡県の過去問、他の都道府県の過去問に挑戦し、演習量を増やしています。

過去問演習中に登場した、訳せなかった文などは、ちゃんと調べたり質問したりして解決しておくようにしましょう。

復習することに慣れてくれば、少しずつ

 ☆ 理由説明問題
  ① 本文や段落の要旨から探して解く
  ② to不定詞(副詞的用法)やbecauseなどを探して解く

というように、テクニックのようなことを伝えた場合にも、正しく使えるようになってきます。

こういった着眼点は、個別授業でも指導しています。

古賀塾に通っている生徒の多くが受験する舞鶴高校や若葉高校などでは、こういうポイントに注目できると解ける問題も出てきたことがありますね。

しかし、文法知識や単語・熟語が不十分だと、こういった解法も使いこなせません。

足腰を鍛えた上で、入試本番に備えていきましょう。

④リスニング

ここでも、すべきことはあまり残っていません。

リスニングの問題が苦手な生徒の多くは、聞くのが苦手というわけではなく「情報処理が間に合っていない」ということが多いです。

I haven’t finished my homework yet.という文は、読み上げれば2〜3秒くらいでしょう。

この文を目で読んでみて、3秒以内に意味が分からなければ、問題は「音声が聞き取れない」というよりも「そのスピードで英文を読めない」ことにあります。

それが出来るようになるためには、ここまでに述べてきたように、

 ・反射で意味が出てくるくらい英単語・英熟語を覚える
 ・文法を意識しながら基本文を何度も音読する

に取り組んでいきましょう。

あとは、教科書などについてくる音声をひたすら聞いてみましょう。

まずは5回くらい聞いて、その後の5回は流れてくる音声と一緒に自分も声を出してみてください。

英検取得のスケジュールと合わせて

英検の各級で出題される代表的な文法分野をもとに考えると、

 5級:中学1年生の範囲
 4級:中学2年生の範囲
 3級:中学3年生の範囲

が目安となります。

必ず受けないといけないわけではないですが、各学年、1月に実施される試験ではなく、10月や6月の時点で合格できるように、早めに学習を終わらせて合格を狙うようにしていきましょう。

古賀塾が行う中学生英語指導法のまとめ

中学英語の学習には、

 ① 単語・熟語
 ② 文法・英作文
 ③ 長文読解
 ④ リスニング

という4つの段階があります。

学校の教科書で、unitが終わるごとに①・②が完璧になるように、何度も音読していきましょう。

「なんとなく」で終わってしまうのではなく、何度も考えて何度も何度も音読をして、自分でも説明ができるまで頑張って取り組むようにしていきましょう。

福岡で英語の勉強をするなら、古賀塾!

高校入試では、英語は確実に得点源にしておきたいものです。

「英語ができれば合格できる」というのは違いますが、しかし、英語ができないと合格が厳しくなってしまうのは確かです。

苦手意識を持ってしまえば、なかなか1人で解決するのは難しいかもしれません。
もしも「苦手」の文字が頭をよぎっていれば、それ以上、傷が深くなってしまう前に、必ず誰かに相談してください。
もちろん、古賀塾も公式LINEなどで質問も受け付けております。

また一方で、そもそも苦手意識を持ってしまわないように早いうちから対策することも、非常に重要です。

古賀塾では、映像授業と個別カリキュラムで、今からでも間に合う作戦・苦手を作らない作戦を考えます。無料の相談だけでも全く問題ありません!
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投稿者プロフィール

山下 拓海
山下 拓海
生徒それぞれの目標に対し、現状把握・分析から最短距離で合格するためのカリキュラムとスケジュールを作成し、進捗をしっかり管理することで合格力を高めます。
大学在学中から塾講師として指導に携わる中で、生徒の成績をアップさせることに魅了されました。東進衛星予備校の校長としての教務も経験しております。
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